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【本編完結済】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!  作者: O.T.I
第十五幕 転生歌姫の最終決戦

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第十五幕 7 『神威降臨〜時間神・空間神・魔法神』


ーー シャスラハ王国 対グラナ戦線 ーー




 シャスラハ王国のグラナ国境付近にて。


 他の戦地と同様に、グラナ帝国軍と連合軍の戦いが繰り広げられていた。

 シャスラハ王国軍を中心とした連合軍は、一歩たりともカルヴァードの地への侵攻は許すまいと、不退転の覚悟で戦いに臨んでいたが、長らくの膠着状態に将兵達は焦りを感じていた。



 だが、他の戦場に神々が降臨した頃と時を同じくして、ついにシャスラハの地にも希望が訪れた。





『『『神威降臨……!!』』』




 厳かな声が響き渡り、垂れ込めた雲の合間から差し込む光とともに舞い降りるのは、三柱の神々。




 時間神イクセリアス。

 空間神シャハル。


 そして、シャスラハの守護神シェラフィーナ。



 連合軍の兵達は神々の再臨を目の当たりにし、歓喜に打ち震え、萎えかけていた士気を取り戻すのだった。

















「さ〜て……いっちょやってやっか!!」


「お兄様、あまりはしゃぎ過ぎてはいけませんわよ」


 腕をぐるぐる回して気合を見せるシャハル。

 やり過ぎないように……と釘を刺す妹のシェラフィーナ。


 そして、イクセリアスと言えば……


 敵軍のはるか後方に目をやり、真剣な表情で言う。



「ここはお前たちに任せる」


「おお!!任せとけっ!!……て、お前はどうすんだ?」


「アレだ」



 イクセリアスが指差した先を見ると……黒い巨人たちの姿が見えた。



「あ〜、なるほど。アレが『黒魔巨兵』ってやつか。あいつをヤルってんだな」


「うむ。我の力では倒し切る事は難しいかもしれないが……足止めなら問題ない。こちらの目処がつくまでは封じておこう」


「分かった!!んじゃ、行くぜ、フィーナ」


「はい、お兄様」



 そして、三柱の神々は、それぞれ行動を開始した。

















「よし。『道』は俺が作るから、フィーナは思い切りブチ込んでやれ!」


「ええ。頼みますわ」



 シャハルは妹に告げてから、意識を集中し始める。

 すると、彼の周りの景色が陽炎のようにゆらぎ始めた。



『空間神たる我が行使する。()()()に分かつもの無し。我が意に応え、彼に至る道を開け』


 シャハルの詠唱らしき言葉に、空間の歪みは秩序を得て形を整えていく。

 それはシェラフィーナの前に、無数の小さな『穴』となって展開される。



 それから、シェラフィーナも意識を集中して言葉を紡ぎ始めた。



『魔法神たる我が行使する。万物に宿り秘された原初の力よ。ここに目覚めて光となり、撃て、穿ち貫け』


 すると、シャハルが展開した無数の『穴』の前に、同じ数だけの光が現れ……レーザー光のように一直線に穴に向かって放たれる!!



 そして、『穴』に吸い込まれた光線は……



 敵軍上空から再び現れ、光の矢となって降り注ぐ!!


 それは途轍もない熱量をもって、無音で敵軍の魔物たちを貫き、瞬く間に屠っていく。


 完全に狙いすましたその攻撃は、人間を避けて全て魔物を対象にしていた。








「おしっ!初撃は上々だな!!」


「まだまだですわ」


「ああ!どんどん行こうぜ!!」



 たった一度の攻撃で数千の魔物を撃退した兄妹神は、何でもないように次の攻撃の準備をする。






















「……うむ、問題なさそうだな。それでは、我はこっちをなんとかしよう」


 兄妹神の無双を遠目に眺めながら、イクセリアスはグラナ軍最大の脅威に向き直る。


 彼の前には複数体の『黒魔巨兵』。

 その巨体が連合軍まで到達してしまえば、絶大な被害が生じるのは必至だろう。



 だが、イクセリアスはあくまでも冷静に、巨人たちを食い止めるべく意識を集中させる。




『時間神たる我が行使する。始まりの時より留まることなき時の流れよ。我が意に応え、その理を我が手に委ねよ』



 詠唱のようなものを終えた彼が、バッ…と両手を前に突き出すと、巨人たちがいる空間を結界が包み込む!!


 すると、結界内に囚われた巨人……いや、全てのものが色を失い、その動きを止めてしまった。




「さて……これで暫くは時間が稼げよう。シャハル、シェラフィーナ、頼んだぞ」







 各地の戦線に降り立ち、人智の及ばぬ力を振るう神々。

 それによって、戦況はカルヴァード連合軍に大きく傾きつつある。

 


 そして、グラナとの大戦は、いよいよ佳境を迎えようとしていた。




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