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【本編完結済】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!  作者: O.T.I
第九幕 転生歌姫の学園生活

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第九幕 47 『山小屋』

 さて、急遽開かれたコンサートも好評のうちに終った。


 ちょっと一曲のつもりだったが、それでは収まらなかったよ。

 アンコールに応えていたら、結局5曲も披露してしまったよ。

 付き合わせてしまったアリシアさんには申し訳なかったけど…まあ、楽しそうだったし良しとしますか。

 もちろん私も楽しかったよ。



 と言う事で、興奮冷めやらぬ中ではあったが、私達は下山に向けて動き出すのだった。











「いや〜、楽しかったけど、ちょっと時間を食っちゃった。みんなゴメンね」


「とんでもない!姫さんの歌をタダで聞けるなんざ…自慢できるってもんっす!なぁ?」


「その通りですね。学園に入って良かったですよ」


「ラッキーだよね!」


 ふむ、喜んでもらえたようで何より。



 そんな話をしながら、登りよりもやや速いペースで進んでいくが、下りの方が足腰への負担が大きいんだよね。

 あまり無理しすぎないように調整しながら行かないと。







 そうして、お昼過ぎくらいに山頂を出発した私達は順調に下って行き、まだ十分に日が高いうちに野営地へと辿り着いた。


 食料調達の時間は十分あるし、今日は山小屋を使えるのでテント設営の時間が必要無いのでかなり余裕がある。



 早速、山小屋に入って中を確認することに。



「へえ…思ったより広くてキレイだね」


 一班の人数でギリギリと聞いてたけど、これだけ広ければ十分かな。

 完全ではないけど一応仕切で二区画に別れているので、男女別に寝ることが出来そうだ。


 更には簡易的なキッチンがあるから炊事も中で出来る。

 流石に水道は無いし、火も自分で起こす必要があるけど。



「テントも楽しかったけど、やっぱりこう言う方がホッとするわね」


「そうですね、昨日は魔物の襲撃もありましたし…」


「わたしはどっちでもいいかな〜」


 メリエルちゃんはともかく、女子的にはこっちの方が有り難いよね。



「お!?お嬢さん方、こっちに来てみな!」


 部屋を物色していたフリードが小屋の奥の方で何か見つけたらしい。


「なに?何かあったの?」


「ほら、この部屋…見てみな」


 どうやら奥にはもう一部屋あったらしく、フリードが扉を開けて中を見るように促す。


「もう一部屋あったんだね……って、これ、お風呂?」


 それほど広くない部屋の中、床は石造りで、一〜二人が入れるくらいの大きな木桶…風呂桶が置いてある。

 排水溝らしき穴もあるので、お風呂場であるのは間違いないだろう。


「良かったじゃん、[清浄]じゃ物足りなかったんだろ?」


「そうだけど…でも、これどうやってお湯を張れば…って、魔法使えばいいのか」


 水なり氷なり出して炎系統の魔法でお湯にすれば良いのだ。

 でも…


「私、冷気系統はそこそこ使えるけど、水とか氷とかはあまり…」


 冷気と水は別系統、氷は冷気と水の複合系統だったりする。

 [氷弾]や[氷槍]くらいなら使えるけど、前者じゃ桶いっぱいにするのが大変だし、後者は風呂桶を破壊しかねない。


「わたし水は得意だよ![水塊]!」


 メリエルちゃんが水の魔法を行使すると、空気中の水分が一点に凝集し、風呂桶の上空に大きな水塊となって現れた。


 バシャッ!!


「うわっ!?」


 魔法の制御を離れた水塊が風呂桶に落下して、その衝撃で水飛沫を上げた。

 近くにいた私にちょっとかかってしまった。


「あ!?ごめんっ!大丈夫?」


「ああ、少しかかっただけだから大丈夫だよ。これでお水はいっぱいになったね。ありがとう、メリエルちゃん」


 これなら水汲みも必要ないかも、と思ったけど、魔法で出した水ってあまり飲水には適さない(マズい)…らしい。

 だが、お風呂用ならうってつけと言うわけだ。


「えへへ〜…火系統はあまり制御が得意じゃないから、お湯にするのは誰かよろしく!」


「それなら私がやるよ。[火球]!」


 ぼっ!

 じゅう〜!!


 私の魔法で生み出された火球を水の中に放り込むと、一気に熱せられてもうもうと水蒸気を上げる。


 それだけだとまだ温いので、何度か繰り返すと丁度よい湯加減になった。



「うん!バッチリだね!」


「「「わ〜!!」」」


 女性陣から喝采が上がる。



 だが。



「…今沸かしてどうすんだ?まだ野営の準備が色々あんだろ?」


 フリードから冷静に突っ込まれる。

 

「…そだね。って言うか、そう思ったなら途中で止めてよ!!」


「いや、並々ならぬ情熱を感じたもんで…」


 その言葉に男性陣はコクコクと頷くのだった。


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