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【本編完結済】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!  作者: O.T.I
第九幕 転生歌姫の学園生活

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第九幕 20 『ショッピング』


「カティアちゃ…さんは、今日は何か入用なの?」


 …無理に呼び方変えなくても良いんだけどな〜



「実は…」


 と、今回ここに来る事になった経緯を伝える。

 学園の魔道具研究会で開発された…元はと言えばプルシアさんが考えた写像の魔道具(カメラ)

 それを手に入れたいと言うのが当初の目的だった。



「あ〜、あれか〜。ちゃんと引き継いで完成させてくれたんだよね。…そういえば貴方達は私達の後輩って事になるのよね」


「はい、そうなりますね。よろしくお願いしますね、センパイ」


「懐かしいですね。もう卒業して何年も経つけど…特別な時間だったわ。皆さんも、良い思い出をたくさん作ってくださいね」


「「「はい!」」」





「じゃあ、魔道具売り場を案内するわね。まだ量産体制に入ったばかりで一般販売はしてないんだけど、お得意様向けには試供品(サンプル)がいくつかあるから、それを融通してるのよ。カティアさんにも提供できると思うわ」


「わあ、ありがとうございます!」


 よしっ!

 コネ万歳!

 権力バンザイっ!


 これで、マイエンジェルたちの激写が現実なものになるよ!



「…小市民とか言ってたわりに、しっかり権力使ってるじゃないの」


 き〜こ〜え〜ま〜せ〜ん!











 そして案内されたのは3階の魔道具売り場。


 因みに1階は宝飾品関連の売り場、2階は服飾店だった。

 後でそっちも見てみたいと思う。


 魔道具売り場のバックヤードは在庫を保管している他に、修理工房も兼ねているらしく、私達はそこに案内してもらった。

 何人か魔道具職人らしき人たちが働いており、私達が入っていくと立ち上がって会釈してくれた。

 お仕事中にお邪魔しちゃってスミマセン…



「例の写像の魔道具、まだあったよね?」


 プルシアさんが手近な職人さんに尋ねる。


「はい、まだ幾つか残っていたと思いますよ。え〜と、確かここに…あ、あった」


 作業机の引き出しからそれを取り出す。


「お、ありがとね。はい、これが今度発売する予定の魔道具だよ」


 プルシアさんが渡してくれたものを確認すると、クラブで見せてもらった物とはデザインが少し異なるが、基本的な作りは同じ物のように見えた。



「使い方は簡単だよ。このレンズを写したいモノに向けて、ここのボタンを押すだけね。はい、パシャッとな」


 パシャッ!


 と、プルシアさんは説明しながらレンズを私達に向けてボタンを押した。

 音も前世のカメラみたいなシャッター音だった。



「それで…はい、こんな感じで出来上がり」


 カメラ本体から取り出したのは、薄い金属プレートのようなもの。

 渡されたそれを見てみると、そこには私達の姿が写っていた。



「「「おお〜!」」」


 皆一様に驚きの声を上げる。

 まさしくインスタントカメラだ。

 画質も想像以上に鮮明だよ。


 しかし気になるのはこの金属プレート…結構コストが掛かりそうで気軽には写せないかも?

 と言う事を質問してみる。



「ああ、このプレート?確かに消耗品としてはそこそこ値が張るとは思うけど…失敗しても上書き出来るから、その点は融通も効くわよ」


 へぇ…撮り直し出来るんだ。

 それは良いね。



 よし、これは買いだな……とは思うのだけど、先ずは……



「これ購入したいんですけど、お値段は…?」


「え〜と…一般販売での価格は確か…本体と印画プレート10枚セットで…金貨3枚だね」


 ふむ…前世換算でおよそ30万円。

 高価ではあるが、これまで存在しなかったモノだからね…妥当なところだとは思う。

 プレートはもう少し欲しいところなので、単品の値段を聞いておく。


「このプレート単品は?」


「え〜と、銀貨5枚だね」


 5千円か…前世の感覚だと割に合わないけど、貴族や富裕層なら気にならない価格だし、一般市民でも手が出ないわけではない。



「よし、決めました!本体セットと、追加で印画プレート10枚買います!」


 激写…と言うほど気軽に撮れないけど、撮り直しも出来るなら取り敢えずそれだけあれば十分だろう。



「は〜い、毎度ありがとうございます!え〜と、合わせて金貨3枚と半金貨1枚だけど…サービスさせてもらって、半金貨1枚は割引で」


「え!?いや、良いですよ!特別に融通してもらっただけでも有り難いのに…」


「まあまあ、ブレゼンタムでもお得意様だったし。これからもご贔屓に、ってことで。ねぇ、姉さん?」


「そうね。それに、友人として…後輩さんたちの入学祝いと言うことで。他の皆さんも、何かご購入するのであれば、サービスしますよ」


「お二人とも…ありがとうございます!」



「やったぁ!わたし何か服を買おうと思ってたんだ〜」


「私は…化学クラブで使う素材を…」


「私もクラブ用に競技用の杖が欲しかったんだよね」


 留学組がユリシアさんの言葉に喜ぶ。


 まあ、これだけまとまった買い物をしてくなら、商会的にもプラスだよね。

 そう思って、有り難くお言葉に甘えることにする。



「レティとルシェーラは何か欲しいものは無いの?」


「あ、私もカメラ欲しいけど…どちらかと言うと、機能面が気になるので、魔道具研とプルシアさんも含めて拡張機能とかの開発の相談をしたいかな。他には特に…」


 まあ、まだ機能的にはシンプルだからね。

 前世のカメラを知ってるなら色々弄りたくなる気持ちは分かるけど、この娘もブレないね。



「私は特に入用なものは無いのですけど…折角ですので宝飾品を見てみようかと」


 お?

 意外と貴族令嬢っぽいリクエストだね。

 普段から武芸ばかりだから、そう言うのには興味無いかと思ってたよ。


「あ、いえ。もう少しでリュシアン様のお誕生日なので、プレゼントを選ぼうかと…」


 こらこら、また私の心を読むんじゃない。

 …え?顔に出てるって?

 …気をつけよう。



「そっか〜、そう言えばそうだったね。忘れてたよ。じゃあ、私も何か選ばないとね」


「それでいいのか妹よ…」


 お兄ちゃん大好きに見えるんだけど、そういうところは抜けてるね。







 そんなこんなで、アズール商会でのショッピングは続くのだった。

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