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つきのしずく ことのは (長歌、長歌・狂歌)
【艶飢乗雌寿苦】
如菩薩や 天悟目観音
啓き容れ 不覚懊苦尽き
煩悩の 弾けて至る
涅槃境 悦土の極楽
有楽禍炎輪 狂の地獄に
顕るる 弥堕落の夜叉は
幸絶の 念侮り加えて
火吐の口 滴り開く
飢交乗に 狐肢跳ね廻し
精魂を 雌鳴し暴躪取り
猶も責め立て
如菩薩の 化恩に隠せし 夜叉の裂牙
強勃立削生 地獄極落
菩薩に化けし夜叉に喰われたる男あり。御仏の慈悲に縋る体にて、その実、我欲を満たさんとする者の地獄に落つるは因果応報也。
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【呼咎之刃】
堪えかね ならぬと知るも
鞘走り 抜身貫通
狼藉に 塗れて緋色の
鯉の口 鍔鳴り高く
夜狩り呼咎之刃
不義と知る 烙苛弄藉 罪重ね
抜き差しならぬ 咎の抜き差し
義ならずと知るも、止む無くして凶行に及ぶ。因果応報。何れは身の破滅と知りながら、またも刃を抜きては……
忌散分を 取りて道をば 外れ落ち
転がる先に 遂げる本懐
武士の一分と言う。法理に反し道義に外れ、誹られ追われた末の運命を分かってはいても本懐を遂げられるならば…………
一先ずはこれにて。目にして頂き、有り難き仕合せに感謝いたします。




