てずるもずる (連作(?)狂歌、質首)
秋の桜子 様の投稿作
『てずるもずると……してる件』
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、へのアンサーです。先に感想欄に投稿させて頂いた三首に手を入れ、更に四首を加えました。
【てずるもずる】
あまいその
てずるもずるは
みちしおに
あてずるもずる
こてずるもずる
海女磯の てずるもずるは
満ち潮に あてずるもずる
こてずるもずる
潮が満ちて来ている磯辺で海女が、てずるもずるを手にしていた。あちらにも、てずるもずるがいる。ここにも、てずるもずるがいる。
やわてずる
もずるあてずる
もずるさし
しおてずるもず
るるとなみよる
柔てずる もずるあてずる もずる差し
潮てずるもず るると波寄る
柔らかなてずるもずるを弄んでいると、差し潮の小波が幾度も幾度もうち寄せて来るのだった。
…………さりなんとては、
いものいぼ
てずるもずるに
ゆうれいも
ずるもどかしく
うきこしふりぬ
妹の慰慕 てずるもずるに
湧励も ずるもどかしく
憂き越し振りぬ
女の慰慕はてづるもずる。励みも湧くが憂いが勝り、なんとももどかしい気持ちになってしまう。
せのてずる
もずるにいもの
よいしれて
おきのてずるも
ずるるおしゃぶり
背のてずる もずるに妹の 宵熾れて
沖のてずるも ずるる御灑降り
男のてづるもずるに女が熾火を灯せば、沖のてづるもずるが雨を降らせる。
ちちはれて
けはえおんなみ
めてずるも
ずるりいりえて
ずるもずるつき
遅々晴れて 景映え穏波 愛てずるも
ずるり入り江て ずるもずる月
ゆっくりと晴れて月の掛かった入り江に穏やかな波がうち寄せる。良い趣きである。
つきてずる
もずるはてずる
もずるなお
なてずるもずる
たてずるもずる
月てずる もずる波てずる もずる尚
撫てずるもずる 達てずるもずる
月夜の波打ち際を愉しむ。ひと通り愉しんだかと思っていたが頬を撫でる夜風に、まだまだ愉しみがあるのだと知る。
むすめいも
めあわせこのよ
つきるとも
てずるもずるに
みなそこねはん
【登場したテヅルモズルの仲間達】
・オキノテヅルモヅル
・セノテヅルモヅル
・イボテヅルモヅル
・ユウレイモヅル




