なわとびあそび (連作狂歌)
色々彼方此方鈍ってますのでね、スポーツをして見るのも良いかも知れませんね……
【縄跳び遊び】
妙に懐きたる娘子の、寛ぎゐしたる時、不意に押し来たれば……
おてんばに
たわむれさそう
なわあそび
ひとみかがやき
こくりうなずく
お転婆に 戯れ誘う 縄遊び
瞳輝き こくり頷く
お転婆な彼女に巫山戯て「縄跳びでもしないか?」と誘ってみれば、目を輝かせて頷くのだった。
かたかみを
しばりあげては
どてさぐり
しげりぼうぼう
あくめたのしく
肩髪を 縛り上げては 土手探り
茂り茫々 悪目楽しく
肩髪を引っ詰めにした彼女と共に土手へ行き、何処か適当な場所が無いか探す。草ぼうぼうの見た目の悪い土手だが、それが愉快である。
いきあらく
あせをながして
ほほそめて
かみをみだして
こえあげはねる
息荒く 汗を流して 頬染めて
髪を乱して 声上げ跳ねる
楽し気に声を上げて縄跳びをする彼女。息を荒げて汗を流し、頬を赤く染めて髪を振り乱して跳躍している。
とうたなら
いきをきらして
すきという
なわもにあいの
みだれうつくし
問うたなら 息を切らして 好きと言う
縄も似合いの 乱れ美し
「縄跳びは好きかい?」と尋ねれば、息を切らしながらも「好き!」と答える。上手に縄跳びする様子が元気な彼女に似合っていて、乱れた髪も美しい。
いきおいも
よくはねるさま
はるめぐり
こしのあつきに
いさみたちては
勢いも 良く跳ねる様 春回り
顧思の熱きに 勇み立ちては
元気に勢いよく縄跳びをする彼女を見ていて、私もまた昔日を思い出して胸が熱くなってしまった。勇み立って自分も縄跳びを始めるのだった。
なわつかい
ゆるくにきゅうに
わざまじえ
かえてあわせて
ともにたのしむ
縄使い 緩くに急に 技交え
変えて合わせて 共に楽しむ
緩急を付けたり、様々な種類の跳び方を、変えたり組み合わせてみる。そんな風に彼女と共に縄跳びを楽しむのだった。
ゆうやけの
きっこうなわに
よいそまる
いりみとっぱつ
しゅううはげしく
夕焼けの 吉光縄に 酔い染まる
入り見突発 驟雨激しく
夕陽の眩しい西日のせいか?縄跳びのせいか?肌を赤く染めた彼女に見惚れていると、突然に激しい夕立ちが降って来たのだった。
ぶりかえし
いきおいのます
うちつけに
しぶきはじけて
えみはあやしく
ぶり返し 勢いの増す 打ち付けに
重吹き弾けて 笑みは妖しく
勢いを増す夕立ちにぐっしょり濡れながらも彼女が健気に笑う。その笑顔が妙に妖し気に見えてしまうのだ…………
はてつかれ
しどけなくねる
やわはだの
あかいすじふれ
ぴくとみじろぎ
果て疲れて しどけなく寝る 柔肌の
紅い筋触れ ぴくと身動ぎ
彼女は疲れ果てたのか、だらしない格好で寝てしまった。縄が当たってしまってミミズ腫れの出来た肌。その紅い筋に触れると、ぴくりと身じろぎするのだった。
…………後日のこと、
うわめにて
さそいてねだる
なわをてに
はげしあらまし
なわのよろこび
上目にて 誘いて強請る 縄を手に
激し荒増し 縄の喜び
あれから、彼女は自分から誘って来る様になった。縄を手にして上目遣いで誘いねだる。より激しく荒っぽくなった縄跳び遊びの楽しさよ。
いやー、スポーツって本当にイイモノですね!




