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お題:かもはねぎしょってろ (今様)
お題:「かもはねぎしょってろ」でナニか詠む。
【華毛跳妓初手楼】
華毛跳ねの子妓 寝戯初手を
鴨は寝葱の 萎れるも
手労に香藻波音 技指酔うて
露花も和寧来し 夜汀朗々
かもはねのねぎ ねぎしょてを
かもはねねぎの しおれるも
しゅろにかもはね ぎしようて
ろかもわねきし よてろうろう
華の様に可愛らしく毛の跳ねた初々しい妓娼の初めてであると言うのに、鴨は寝たまま、葱は萎れている。それでも、手指の技を駆使すれば香りの良い藻は波音を立てて、露に濡れた花はねんごろに和らぐ。そうして夜の汀は朗々と更けゆくのだった。
【オマケ】
不遇差し 蕪も食えねど 割烹の
美味き残り香 鴨葱臭し
ふぐうさし かぶもくえねど かっぽうの
うまきのこりが かもねぎしゅうし
(いまとなっては)不遇の身の上で、蕪も購えないくらいに困窮しているが、かつては毎日鴨鍋を食べる程に羽振りが良かったのだ。台所に立てば当時の事が思い出され、鴨と葱が煮られる美味そうな臭いがする様な気持ちになる。




