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わだちにさいたはな (長歌)
m 様の詩、『私が鳥になる』
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への、返歌です。感想欄に投稿した狂歌を元に長歌に詠み直しました。
【轍に咲いた花】
風に乗り 空へと飛んだ
種落ちた 乾いた轍
溝の底 溢れ零れた
涙雨 あれば芽を出し
花咲かせ 実をつけ鳥の
啄みて 飛び行く先は
故地の草原
かぜにのり そらへととんだ
たねおちた かわいたわだち
みぞのそこ こぼれあふれた
なみだあめ あればめをだし
はなさかせ みをつけとりの
ついばみて とびゆくさきは
こちのくさはら
鳥蒔いた 種の芽吹いて 咲き開く
涙轍の 乾いたあとに
とりまいた たねのめぶいて
さきひらく なみだわだちの
かわいたあとに
想いを受け継ぎ、また渡して……そんな繋がり。




