たけのこ (連作狂歌)
以前活動報告に投稿した、連作狂歌です。
【筍】
きりかすみ
まよいおくやま
たけやぶに
ひそむたけのこ
においかすかに
霧霞 迷い奥山 竹藪の
潜む筍 匂い微かに
登山をしていた時、濃い霧で道に迷って居ると竹藪より微かに漂う匂いに気付く。筍の匂いだろうか。
ほりだして
におうたけのこ
むきはめば
からむえぐみの
ものぐるおしき
掘り出して 匂う筍 剥き食めば
絡むえぐみの 物狂おしき
筍を掘り出して、その場で皮を剥いて食べれば、口の中に絡む様なえぐみが堪らない味わいである。
ほりてほり
はみてまたはむ
たけのこを
つきてはてても
つきてはてても
掘りて掘り 食みてまた食む 筍を
尽きて果てても 尽きて果てても
次から次へと筍を掘り出しては食べる。何かに取り憑かれた様に。
すぎしひの
たけのこのいま
ふとながく
かたくたちたる
あつきてごたえ
過ぎし日の 筍の今 太長く
固く立ちたる 熱き手応え
過日の筍が立派な竹に成長した。その姿、手応えに胸が熱くなる思いである。
私自身は「キノコ派」です。あしからず
m(_ _)m




