つきのうらかげ (狂歌三首、川柳)
砂礫零 様主宰の『新春連歌の会2020』
https://ncode.syosetu.com/n6292fy/
の【番外編】
https://ncode.syosetu.com/n6292fy/11/
、その陰で……
月捲り 隠れ雛菊 媛蕾
咲かせ散るまで 月は輝るまま
つきまくり
かくれひなぎく
ひめつぼみ
さかせちるまで
つきはてるまま
「月の裏には雛菊が隠れ咲いている」と言う御伽話。月を捲って、その雛菊の蕾を咲かせて散るまで愛でてみたいと益体もなく思うが、そんな私の思いとは関わり無く月は輝いている。
(※『新春連歌会2020』、「月の裏側」感想欄への投稿)
【月の裏陰】
山裾の 花粉香し 菊蕾
夜月懸かる 双子山の間
やますその
かふんかぐわし
きくつぼみ
よるつきかかる
ふたごやまのま
二つ並んだ山の間に月の懸かる夜、麓の裏手に生える菊が咲く頃だと気付く。開花ま間近の蕾の香りの芳しさはどれほどだろうか。
咲かずとも 愛でなば開く 自ずから
乱れ菊華を 月知りぬれば
さかずとも
めでなばひらく
おのずから
みだれきっかを
つきしりぬれば
なかなか花が咲かないからと焦らずに世話を続けていれば、花は咲くものだ。今宵、乱れ菊が咲いた事を月は知っているかの様に輝いている。
月懸かる 知るや雫の 乱れ菊
つきかかる しるやしずくの みだれきく
夜空に懸かる月。あの月は、この夜露に濡れた乱れ菊の美しさを知っているのだろうか?
……等と、ねりねりひねっておりました。




