尽之賤句 つきのしずく 虚吐之端 ことのは

お題：あな （狂歌二首）

ｍ　様より頂きました、お題三つ、其の一。

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【穴】

（壱(いち)）

あなひらき　

　　われのみいりて

　　　　　みいられて

　　　　　　　うめんとわがみ　

　　　　　　　　　　うめてとけはて

穴開き　我の見入りて　魅入られて

埋めんと我が身　埋めて溶け果て

　……開いた穴を見入っていて、いつの間にか魅入られてしまっていた私。ふいに、この穴を自分自身の身体で埋めなければ、と言う衝動に襲われて穴に入るが穴の中で溶け果ててしまうのだった…………

（弐(に)）

あなかしこ　

　　まよいまどうは　

　　　　　　あなおろか

　　　　　　　　あなおくひらく　

　　　　　　　　　　　ほとけかんのん

あな畏　迷い惑うは　あな愚か

　穴奥啓く　仏観音

　人生の様々な欲や苦しみに迷い惑うのは、どうしようもなく愚かである（が、仕方の無い事でもある）。洞穴の奥にて修験の果てに観音仏の導きで悟りを啓く。なんと畏れ多くもありがたい事であろうか。

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あー、なるほど！