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序 はじめに (狂歌四首)
にちりんの
あつきかがやき
あらばこそ
よにてるつきの
こぼすしずくを
日輪の 熱き輝き あらばこそ
夜に照る月の 零す雫を
つくよみの
われをばてらす
あまのひに
たそがれすぎて
いでしつきかも
尽く余身の
我をば照らす 天の日に
黄昏過ぎて 出でし月かも
あきすぎて
かれはておちて
くちるはも
おどけておどる
こがらしのなか
秋過ぎて 枯れ果て落ちて 朽ちる葉も
戯けて踊る 木枯らしの中
はくいきの
うつろことなく
きゆはしを
とどめことあげ
うつろいゆくも
吐く息の 虚ろ事無く 消ゆ端を
留め言挙げ 移ろい行くも