五話
前話よりは長いと思います。はい。
とりあえず、鞄の中をさらに確認すると、幸いにもファンタジー感があるバスタードソードがあった。それを取り出すと、俺は其の剣を自分のベルトの左側に差す。
「しかし、右に拳銃、左に剣か。なんかアンバランスだな」
今の俺の格好は、冬季戦闘服に軍靴と防弾ヘルメット、武装は拳銃とついさっき手に入れたバスタードソード。これが制服でサムブラウンベルトがあればまだマシなのかもしれない。
「うん?神って、なんか必要な物があれば連絡しろって言ったよな?」
其のことを思い出した俺は、早速通信とを念じる。
(通信)
『おぉ、オミンか。其の様子だと、ちゃんと異世界に着いたようだな』
(あぁ、おかげさまでな)
『そりゃあ、よかった。そうだ、一応そっちに鞄を置いたはずなんだが、確認したか?』
(まぁ、一応確認したが、中身ぶっ飛びすぎだろう。俺に戦争でもやらせるつもりか?)
『何を入れればいいかわからんもんでね!ハハハハハ!』
神の笑いに、俺は少し呆れた。
『其れは兎も角、俺に連絡をしたって言うのは、なんか必要なんだろう?』
(うん。実はな…)
オミンは早速、サムブラウンベルトと、新しい鞄を要求した。
『うんうん、あいわかった。もう手持ちの方に入れといたよ』
(本当か、助かった、ありがとう)
『お礼なんていらねぇよ。そんじゃ、またな』
(あぁ)
そうやって神との通信を切った。そして、俺は手持ちの鞄を確認する。
「おぉ、あったあった」
サムブラウンベルトを確認した俺は、其れと、制服、あと新しい鞄を取り出した。
「さすがにあんなのが入ってる鞄はファンタジーにあわねぇ。当分は封印だ」
俺は別に火薬の力で無双したいなんて思ってもいない、と言えば嘘になるが、先ずは異世界を感じてみたい。そう思いながら、手持ちの鞄を新しい鞄に入れる。
ある程度時間が経つと、俺は着替えを終えた。戦闘服とヘルメット、拳銃とホルスターを鞄に入れ、準備を完了する。剣はもちろん左側に、サムブラウンベルトは左腰から右肩に繋がっている。多少はマシになっただろう、俺はそう思いながら歩き始めた。
誤字脱字、間違い等ございましたら、教えてくだされば幸いです。