3話 オーク達
生き返ってから、1週間の時が、経った。
俺の仕事は、現在、薪を割ることだ。
なんでも、冬の支度のための、大事な仕事みたいだ。
最初は、お兄ちゃんは、いてくるだけで、いいと、言われたが、兄として、プライドが許さず、この仕事をしている。
まあ、外で、金を稼ぐ仕事したいが、ゾンビだから、無理か……
「よし、今日の分の薪割り終わり」
木は、スケルトン達が、持ってきてくれる。
薪割り自体は、スケルトンが、やってたみたいだから、俺の必要ないんだけどな……
なにかをしていないと、落ち着かない。
「お兄ちゃん、ご飯できたよ」
「ちょうどいい、薪割りが、終わったところだ」
「今日もありがとうね、お兄ちゃん」
「ご飯は、今日もオーク肉を使った料理か?」
「もちろん」
オーク肉、うまいのだが、こうも毎日だと、飽きてくるんだよな。
「グルルルル」
奇妙な声が、響き渡った。
「なんだ?」
声のほうを向くと、オークが、4匹、いた。
2匹が、剣を持ち、1匹が、弓を持ち、もう1匹が杖を持っている。
まるで、冒険者PTのような、構成なオーク達が、あらわれた。
「なんだ、あのオーク達」
俺は、薪割り斧を持ち、構える。
家の近くにいた、3匹のスケルトンが、オーク達に飛びかかる、それを剣を持ったオーク達が、真っ二つにしていった。
「へぇ~、私のスケルトンが、あっさり、やられちゃうなんて、なかなかだね」
「レイナは、俺が、守るから、安心しろ」
「お兄ちゃん……好きぃ」
そう言い、レイナは、俺に抱きついた。
「なにやってんだ、レイナ」
「大丈夫だよ、お兄ちゃん、あんなやつら、私の敵じゃないから」
そう言うと、オーク達の足を骨の手が、掴む。
無数に出てくる、その手が、オーク達の動きを止める。
その瞬間、瞬時に、弓をレイナに、放つオーク。
しかし、矢は、腐るように、落ちて消えた。
杖を持った、オークが、呪文を唱えると、オーク達の動きを止めていた、骨の手が、消えた。
「へぇ、私の魔法に抵抗できる魔法使いが、いるんだ」
「グゲェェェ」
剣を持ったオーク達、2匹が、レイナに向かっていく。
「もういいや、死んじゃえ」
レイナが、そう言うと、剣持ちのオーク2匹が、倒れた。
「ビヒィイイ」
「おまえも、死んじゃえ」
そう言い、レイナが、弓持ちオークを指差すと、同じように、倒れるオーク。
それを見ていた、もう1匹のオークが、杖を構えた。
すると霧の中から、あらわれた、一匹のスケルトンが、オークの足を刺した。
そして、組み付いた。
それに続くように、どんどんスケルトンが、集まっていく。
「よ~し、そいつら、連れて行っちゃって」
オーク達は、4匹は、スケルトンに運ばれていった。
「レイナ、お前こんなも強かったんだな」
「えへへ、200年も一人で、生きてたら、強くなるよ」
「もう守る必要が、なさそうで、悲しいような、うれしいような……」
「これからは、私が、お兄ちゃんを守るから、安心して」




