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妹EP【朱里(しゅり)】①
暗く沈み込む世界――
広がるのは赤、赤、赤……赤色に染まった空間――
ここ、虚無の世界からボクを救ってくれる人なんているのですか?
ボクはここにいます。ずっと、ずっと……います……ボクは朱里。
管を通して入り混じる数多の液体は……ボクを蝕む……
呪われしカラダをどうか、救ってくれませんか? ボクの兄様、犬人。
希望とは何なのでしょうか……ボクの望み、ボクは兄様と生きてみたい――
「ん? センセーこの女の子は?」
「朱里ちゃんね。彼女はこの病院に来てから一度も起きたことがないわ。原因は不明。ねぇ、それよりもさ、デートしてよ。独身で美人、オススメよ」
「無理です! 何度も言ってるけど、俺は妹萌えなんすよ。妹にしか萌えないんです! すんません」
「じゃ、じゃあ……ミオが妹になるからぁ~……ね?」
「年増は無理ですね」
「てめえ……俺はまだ20代だ!」
「こわっっ……俺とか使うんだ。それが本性なんすね。ミオせんせー」
兄様……ボクは兄様の為に、閉ざされた眠りから……
そして……兄様とボク以外を……暗く果ての無い闇へ沈めてあげます――




