表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シスエン~妹怨~  作者: 遥風 かずら
超え始めた域
16/36

妹EP【雫(しずく)】


 わたしたち(ぬいぐるみ)には心を持つ術が無い。最初から、そう作られた物だから――


 変わらぬ風景、変わらぬ光景、変わらぬ場所。無機質な機械の手が、時々わたしたちを掴んで来る。その度に体は傷付けられていく。飽きられては捨てられ、使われなければ捨てられて、放置される。


 こういうものとして生まれて来たから仕方がない。そう思っていた――


「おぉ! 双子シリーズキタ!! いやぁ、可愛いなぁ……特に和服の子はいいなぁ」


 和服……わたしのことだろうか? わたしの隣には忍の格好をした木葉このはがいる。

 こんな優しそうな人なら、わたしを大事にしてくれるのだろうか。


 そして――


「ううう……またフラれちゃったよ……しずく~~」


 この男の子は、普段もわたしを抱きしめてくれるけど、悲しいことがあった時は涙を流しながらわたしに抱きついて、わたしの体を濡らすほど涙を流している。喜びがあった時は、真っ先にわたしを抱き上げ、全身に感情をぶつけてくれる。顔の中心に彼の顔が近付いて来る度に、妙な高揚感があった。


 心のないわたしを変えてくれた男の子。わたしにも好きという感情が芽生えた瞬間だった。

 男の子は妹という言葉に執着しているみたいだった。それならわたしにも執着して欲しい……


 男の子がわたしに見向きもしなくなり、放置されてどれほどの時が流れたのだろう。

 風にさらされ、表面も汚れ、誰も誰にも見られなくなった。


 「彼の元へ行きなさい――」


 どこからともなく聞こえて来た声に従って、わたしは彼の元へ向かった――


  

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ