妹EP【鈴音(りんね)】
いつもわたしは一人ぼっち。友達って、どうしたら出来るのかな……? 昨日も今日も、夕暮れまで公園に来ているわたし。
わたしは一人っ子。おうちに帰っても、お母さんもお父さんもいない。このままわたしは、大きくなるまで大きくなっても、ずっと一人ぼっちなのかな――
「うおおおーーとぅっ!!」
ズザザーー……何度も滑り台を滑っては、着地に失敗している男の子がいる。あんなことを繰り返して楽しいのかな?
「くっ……な、何でちゃんと着地出来ないんだよーーただ滑るだけなのに……ううっうう」
あぁ……あの子泣き出しちゃった。運動音痴なのかな? ただ滑るだけなのに何だか不思議……
最近、夕暮れ時に来るようになった男の子。わたしよりもお兄ちゃんなのかな?
「く、くそーーー着地がーーわああああん……何て駄目な奴なんだよオレはーー」
滑り台の着地であんなに転ぶ子なんて見たことが無いかも。何だか可哀相……
「なでなでなで……」
「へっ? だ、だれ?」
「わたしは鈴音8歳」
「何だよ、俺よりも年下じゃないか。年下になでなでされても……う、嬉しくなんか……」
なでなでなでなでなで……
「くぅぅ……あぅ~……って、もういいって。オレは犬人! 犬って字と、人って字がくっついてるんだぜ! すごいだろ!」
「じゃあ、キミはわん君だね。わたしが滑り台のコツを教えてあげるね」
「お前、毎日来てただろ? 俺、滑り台失敗してたけど気付いてたぞ。そうだ! コツを教えてくれる代わりに、りんねは今日からオレの妹な! 記念にコレ、やるよ」
わん君はわたしに鈴をくれた。妹記念なのかな? 今日からコレをつけておかなきゃ。
「わん君の妹? うん、いいよ」
毎日のように公園でわん君と遊んで、滑り台のコツも教えてあげた。すごく楽しかった。でも、いつからかわん君は公園に来なくなった。どうして? もっと鈴音と遊んでよ……
寂しいよ……わん君。キミがここにいたからわたしはここに来ていたんだよ? 妹がここにいるのにどうしてお兄ちゃんはここに来ないの? わたしはここにいるよ。
今日もわん君が来るのを期待して、いつもよりも早い時間におうちを出た。あれは……わん君? どこに向かっているの? わたしも一緒に行く、行きたい。そしてわたしは――




