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その一、桜宮桃音
まず、俺のという人間を知ってもらう為にも俺にとって悩みの種であり、拒絶することの出来ない人達を紹介していこう。
悩みの種その一、桜宮桃音。
ピンクピンクしているその名前と同様、頭の中もピンク色なお方だ。
高校生でサンタクロースを信じているくらいだ、相当だろう(田中情報)
桜宮はぶっちゃけ、俺のストーカーだ。
それはもう、引くぐらいのストーカー。
正直怖くて話し掛けられない。
そんな彼女は、今日も俺のストーカーをしている。
「亮くん、今日も寝癖跳ねてる……。私が直してあげたいなぁ……。あわよくば、『ありがとう、桃音は優しいね』なんて言われちゃったり~、えへへ」
わざとなのだろうか。
わざと俺に聞こえる様に喋っているのだろうか。
俺がちらりと後ろを向くと、彼女は急いで電柱に隠れる。が、隠しきれていない。
サイドテールにした髪がぴょんと跳ねていて、くりくりとした目が此方を伺っている。
隠れる気ないんじゃないか?
……いや、アホなのか。
そう考え、再び前を向き歩き出す。
俺は、いまだこの子が何故俺に執着しているのかがわからない。