第六話 住処への道のり
多分短め
半日ほど歩いた。
ほとんどは普通の狼の背中に乗せてもらって走っていた。
この森は中央の少し大きな山を囲む様に林が広がっているみたいだった。
そしてこの森はだいぶ広い。
狼はめちゃめちゃ早くてすごく怖かった。
走ってる時に顔に当たる風が、駅のホームで電車が来た時の風くらい強かった。
お母さんは最後らへんはもうげっそりしていた。
でも、私たちがいなかったらもっと早いんだと思う。
そんなこんなで、山頂に向かって山を登っている。
とても、流れる川が綺麗で、緑が生い茂って、キラキラしていた。
「エディレ様。どこへ向かっているのですか?」
『我らの住処だ、山の丘にある。もうすでに聖域には入っているぞ』
「まぁ、聖域。どおりでとても空気が澄んでいるのですね」
お母さんは移動スピードが遅くなってから余裕が少しできて、リーダーの白狼と少しだけ打ち解けていた。
名前があるらしく、ルエディレアスというんだとか。長いし、他の狼はエディレ様というのでお母さんもそう呼んでいる。
それと、ここは聖域らしい。
お母さんは驚き、確かに、と納得した様だった。
『それはそうと、その赤子はおとなしいのだな。我らを怖がったりしておらぬ。』
「ええ、シエルカというのですよ。私の可愛い娘です。」
『シエルカか、良い名だ。其方の名は?なぜここにいる?』
「私はフェルリアです。この髪色と目の色で、この子に、ルカに遺伝したから…だから…夫から家を追い出されてしまった…」
でも仕方がないのですよ、とお母さんは愛想笑いをした。
仕方ないわけないだろうが…
髪の色、目の色が人と違うというだけだ。
むむむっと眉を寄せていれば、お母さんに眉間を突かれた。
『その色のことはそのうち話してやろう。色には意味があるのだ。』
「そうなのですね、楽しみにしておきます。」
ふふっと微笑んでお母さんは笑った。
そんなふうな会話を続けながら山を登っていった。
そして、眠ってしまった様で、お母さんが止まった感覚で目が覚めた。
そこはとてもこの世とは思えないほど綺麗な所だった。
サボってました。
だんだん適当になっていっている気がします。ごめんなさい。
リーダーの狼は二本角の狼です。