第五話 白狼
ちょっとどころじゃなくグロいものを、遠回しに表現しております。ご注意を
眩しい。
ドサッと音がしたと思ったら噛み付いていた魔獣が倒れた。
だが地面についた瞬間、魔獣の体がドロドロと溶け出した。
生き物丸ごと液体にしたらこんな感じなんだろうなという感じ。
とてもじゃないが見てられない。モザイクをかけておきたいくらいに。
「ヒッ」
お母さんが息を呑んだ。
これを見たら誰でも息呑みたくなる。
周りを見てみればライオン達が恐怖で動けなくなっていた。
そして光が出た方向を見れば真っ白な狼の群れが佇んでいた。
その中で角が二本生えた一際大きな狼が口を開いた。
『彼らを止めよ、影の王よ。』
ただ吠えているように聞こえるのに、言葉が頭の中に流れてくる。
ちょっとゾワっとする。
『なぜだ陽の王。人間ではないか。』
今までどこにいたか知らないけど白い二本角の狼と同じくらい大きくて横に牛みたいなツノの生えたライオンが口を開いて同じように話した。
ライオン…お前も喋れたんかい。
白き者ってお母さんのことか?確かに白髪だけど…
お母さんは何が何だかわからないという顔をしている。
『神の加護を感じる。故に殺してはならぬ。』
え?神の加護??
なにそれ?
お母さんと2人して唖然としていると、狼がこっちに近づいてきた。
くっ、食われるっ
と思ったらポカポカした光が私たちを包み込んだ。
太陽の光みたいで眠くなった。
「傷が…」
『また会おう、影の王』
光が消えたなと思えばお母さんの傷は無くなっていた。
そして、病気になってからずっと顔色が悪かったのに、顔色もマシになっていた。
お母さんは赤い目を見開き二本角の狼を見上げた。
『人間、行く先がないのなら、我らについてくるが良い。』
そう言って二本角の狼は、森の奥へ進んで行った。
お母さんは素直に立ち上がりついていく様で、覚悟を決めた顔をしていた。
後ろから群れのオオカミがついてきていた。
そして黒ライオンもどこかへ帰って行った。
だんだんと適当になっていってる気がします。