第一話 少女
新しいやつです。
プロローグ的なやつ
「ツピビピピ!ピッピー!」
「ピピ!」
「ふふっ…楽しかったのね。よかった」
「ツピッ!」
神秘的な聖域に1人の少女の声がこだまする。
だがそこには1匹フェンリルがたたずみ、小鳥が近くに止まってさえずっているだけであり、少女は見当たらない。
バキッ
まずい…
俺は足元の枝を踏んじまったようで止まっていた小鳥たちは逃げていった。
そしてフェンリルが振り向いた。
だがそれはフェンリルではなくその毛皮を被った少女だった。
フェンリルの純白の毛のように真っ白な白髪と月のような金の瞳に女神のような美貌。
俺はその美しさに圧倒されて息を呑んだ。
だが次の瞬間少女は一瞬で視界から消えた。
かと思えば飛びかかってきていた。その姿まるでは狼が飛びかかってきているみてぇだった。
ドサッ!
「お前、密猟者だね?」
俺の正体は仕留めたこの森の動物を腰のベルトにくくり付けているため筒抜けであり言い訳をしても意味がねぇだろう。
俺は何度も頷いた。
一体どうなっちまうのか…
「そうか」
少女はそれだけ言った。
助かるのか…?
希望が見えてきたところで首元に衝撃を感じ、俺の意識は飛んだ。
この男は主人公じゃないもぶです