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婚約破棄っ、オムニバス

異世界婚約破棄メーター。 そして侯爵令嬢は王太子に溺愛(わから)される。

 全ての異世界の婚約破棄数を計測中。


「婚約破棄しないでくださいましいい」


「んんん?」

 王太子は困惑した。

 ところは、王宮。

 ときは、貴族学園卒業式のパーティー。

 

 目の前には涙目の侯爵令嬢。


 王太子は周りを見渡した。


 当然エスコートは、婚約者である侯爵令嬢だ。

 優秀な側近候補達。

 壇上には王陛下夫婦。(両親だ)


 ピンクブロンドの浮気な男爵令嬢など影も形もない。


「どういうことだい、マイハニー」


 キッラーーーン


 必殺王太子スマイルッッ、炸裂っ。


 はうううううう


 紳士?淑女たちに気絶する者が続出した。


「た、耐えましたわああああ」

 侯爵令嬢だ。


 ブワアッ


 金髪ドリルが無遠慮に辺りに広がった。


「これですわっ」

 隣にいた侍女からスカウターを二つ受け取る。


 チャッ


 王太子と侯爵令嬢が着けた。


 ピピピピ

 ボンッ


「うわっ」


 二人のスカウターが同時に爆発。


[こ、これはっ」


「そうこれはっ」


「”異世界婚約破棄スカウター”、ですわあああ」


 このスカウターで異世界のリアルタイムの情報がわかるのだ。


 幾多の異世界でも、今現在、貴族学園の卒業式パーティーが開かれている。


「この瞬間に」


数多(あまた)の異世界で」


「スカウターが爆発するくらい」


「婚約破棄されているのですわあああ」


 ふうっ、ふうっ


 侯爵令嬢が涙目で肩で息をする。



「落ちついて、いとしのマイハニー」

 王太子はスンスンと泣きはじめた侯爵令嬢を優しく抱きしめる。


「それは、“異世界恋愛”の世界の話だろう」

「他の世界(ジャンル)はどうだい?」

 新たなスカウターが王太子の侍女から渡される。



 ー王太子、侯爵令嬢検索中ー



「純文学はともかくホラーやアクション、


 “コメディ”

 

 で”婚約破棄”は、豪快だと思いますわっ」

 (極めて個人的な意見でございます)


「ふふふ、幾多の世界線で、“自由” というのが、“ナロー異世界群”のいいところだと思わないかい?」


「それは確かに」


「けんさくきいわあどのために、”婚約破棄”を使うのだよ?」


「世界の創造主(作者)様の苦悩がっ、ですわあ」


「ふふ、じゃんるえらあを他の創造主(作者)様から指摘されるのだよ」


「ううっ、胸が痛いのですわっ」


「まあ、“ナロー異世界群”にも流行り廃りがあるのだがな」


 王太子は神託、KASASAGIシステムを見ていた。




「それから王陛下」

「この場で侯爵令嬢と結婚したいのですが」


「えっ」

 戸惑う侯爵令嬢。


 王陛下が両腕で大きく丸を作った。


「ふふ、最近は、溺愛ものも流行ってきているのだよ」


「えっ」

 顔を真っ赤に染める侯爵令嬢。


「僕のすべてのじゃんるを超えた深い愛をその身に刻みつけてあげよう」

 色気全開の王太子が妖しく笑う。


「待ってくださいましい」

 周りを見渡すと、王妃殿下と(わたくし)()()が、両手で大きく丸を作っていましたわ。


「ムーンライト(18禁)はだめですわあああ」


「ふふふふふ」

 さあっ、寝室へっ。


 王太子様にどれだけ愛されているかを、朝まで体に刻み込まれたのですわ。


 合掌。


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