天使達のほほえみ・再び1
ジリリリリリリリリリリリリリリリリ
リリリリリリリリリリリリリリリッ
「フニャ。」
10分後
ピピピッピピピッピピピッピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピッ
「はぁい。起きてる、おきてますよ。スゥ~スゥ~スゥ~」
5分後
「では~。ラジオ好き好きっ子ちゃんには~番組表とステッカーをお送りしまぁす。続いてのお葉書読んじゃいましょう・・・。」
ここまで来てゆみこは目が覚めた。だがガバッととは起き上がらない、彼女は低血圧なのである。
ベットの中でモゾモゾと体を揺らして体も目覚まさせていた。
「いやあのね、おじいちゃんもう時間がね来てしまってね、ん?あっそう子供の頃の柿ドロボウした話はまた今度ね。じゃぁ牡蠣小屋CEOさんには、柿とステッカーを柿じゃなかった・・・」
「あははは~間違えたねぇ。」
ゆきこはやっとでベットから抜け出してレモンの木が見えるベンチに腰掛けてぼ~としていた。
20分後
「あっそだ、野菜ジュースを作らねば、泰造じいちゃんに怒られる。」
ゆみこは顔を洗った時に使ったタオルを握りしめたままキッチンへと向かい
、ミキサーに新鮮な野菜や果物を放り込んでミックスジュースを作りそのミックスジュースとタオルを握りしめベンチへと返って座った。
「いただきます。」
ゆみこは手を合わせ頭を下げて言った。
ゆみこは足をぶらぶらさせながらジュースを飲み、レモンの木を眺めて微笑んでいた。
「ん?どうしたんだろ。」
ゆみこはそう言うとサンダルを履きスタスタとレモンの木に近づいて1つのレモンの実に話しかけた。
「私を呼んでどうしましたか?」
ゆみこはじっとそのレモンの実を見つめてうん、うんと頷いていた。
「わかった。そこへ行ってその人を助ければいいんだね?」
ゆみこは小さな脚立を持って来て話をしていたレモンを取ると急いでキッチンへと向いレモネードを作り魔法瓶に入れて出かける準備をした。
ゆみこは肩から魔法瓶をたすき掛けしてお気に入りの黄色い自転車にまたがった。
「ゆみこ行きま~す。」
そう声をかけてゆみこは走り出した。
「右よし!左よし!ん~何となく右かな。」
行く場所はわかっているようだがそこまでの行き道を調べないままゆみこは自転車を発進させているようだ。
それもそのはずゆみこは携帯電話もナビましてや地図さえも持っていない。
「ん~何となく左かな。」
この調子で本当に目的地に着くのであろうか?
ゆみこはそんな感じで20分ほど自転車を走らせた、その間にすれ違う人すれ違う人がビクッとしてゆみこから後ずさりをするのだ。
しかしそんな事は御構い無しにゆみこは自転車を走れせる。
「あの~すいません、この辺りに長い坂はありませんか?」
ゆみこはカップルに声をかけ、そのカップルが振り向いたが顔が引きつって2歩3歩後ずさりした。
「な、長い坂?だよね。えーとこ、ここを真っ直ぐ行って1つ目の信号を右に曲がったら確か坂道だった・・よ。」
彼氏の方が引きつりながらも道を教えた。
「あっがっとざーあぁした!」
ゆみこは一旦、自転車を降りて丁寧にお礼を言って走り出した。
「な、何だったんだあの子は。」
「ちょっと道変えましょうよ道。」
カップルはそそくさとその場を離れた。ゆみこは言われたように信号を右に曲がるとそこには長い坂道はあった。
「おぉ坂だ。この長い坂でも、私の自転車は電気自転車だからだいじょぉぶだぁ。」
そう言ってゆみこは自転車を走らせた。
「へいへいへい、スイスイ登るよ~へいへいへいっ!」
「ママ~あのおねぇちゃん。」
「しっ見ちゃダメ!」
ゆみこを通りすぎる車の中からそんな会話が聞こえて来ているがゆみこは気にせずにグングン登る。
「あった!子供病院!」
ゆみこの目的地はこの子供病院であった。