1.日常
がっさんです。
『どう生きる?』
この言葉からこの物語を考えつきました。いい言葉ですよね。
人生、人それぞれ物語があります。
僕はこの言葉がとても重く感じられます。正直逃げ出したいです。
でも僕の物語、逃げ出さず生きて,よい物語を紡いでいきたいです。
世界が闇に呑まれ、人の形のしない化け物たちが徘徊している。その中でも人間は隠れ住み続けている。
ポタッ...ポタッ...
どこかの路地裏で一人の男が連絡をとっている。
・・・・・
「あぁ、何もなかった。」
「そうか...すまない。また1から探さなくていけないな。」
「頼む。時間が無い。」
「......了解。また連絡する。」
連絡をとり終え男は歩き出し、姿を消した。
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時は遡る
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「九十九、朝ごはんできたよ。早く出てきなさい」
母親の呼ぶ声を聞き、僕こと湊 九十九は朝のシャワーからあがった。
体をふき、下は今年度入学した高校の制服のズボンをはき、上はTシャツを着る。
そして、濡れた髪を乾かし、母親のもとに行った。
ダイニングルームのテーブルには、朝食が準備してあり、そこには椅子に座り新聞を読む、父親の姿があった。僕は父に朝の挨拶をし、キッチンにいる母を見て同じく挨拶をする。
僕は父の対面に座り、母が来るのを待つ。
この家は、家にいる皆で食事をとることが決まりなため母を待つ。
母が、エプロンをとり椅子に座る、父が新聞を置き、家族で朝食をとり始めた。
これが湊家の朝の日常であった。
「ねぇ、九十九。明日から夏休みでしょ」
母のこんな言葉から話が始まる。
「それで、明日ねぇ海外旅行に行くから、お留守番よろしくね」
「はぁぁぁ!?」
僕の反応は当然だろう。父が仕事で海外に出張することは以前から聞いていたが、母が旅行することは聞いていなかったからだ。
次の母の言葉に僕は絶句することになった。
「あぁそうそう、琴吹さんと羽沢さん達と一緒に行くから、桜ちゃんと大ちゃんとお留守番してね」
琴吹家と羽沢家はいやゆるお隣さんだ。同じ時期に子供が生まれて、昔ながら交流がある。
桜ちゃんとは琴吹 桜であり、琴吹家の娘である。
大ちゃんこと羽沢 大地、羽沢家の息子なわけだ。
この二人は幼馴染になる。
この母は子供三人を置いて、お隣さんぐるみで海外旅行に行こうとしている。
何を考えているこの母はと思いいつつ、僕は朝食をとり終えて高校に行く準備し、家を飛び出た。
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「あーやっぱり、驚いたよね。急に何言いだすんだか」
「僕は前々から聞いてたよ...」
「えっ!?なんで教えてくれなかったの?」
「知ってる思ってたし..聞かれなかったから...」
「つくもも本読んでないで、話に入ってよ」
自分の席の前には、幼馴染の2人が話をしていた。
幼馴染の1人琴吹桜は僕と同じように今日始めて、両親から海外旅行について聞いたようだった。
本を読みながら話を聞いみると、すでに別の話題に変わっていた。
修業式が終わり家への帰路、隣には幼馴染がいる。
「それで、それで、九十九の家でお泊り会しようって決まったの。親も自由にしてるし許可出るでしょ。
よろしくね♡」
僕の居ない間で勝手に決めるなよ。なんだその♡はと思いつつ今後の事が勝手に決まってしまった。
僕自身料理をしたことないし、1人で家にいるのも暇だろうと感じ了承した。
家に着き、母に先ほどの事を許可を得ようと声をかけた、事前に決まっていたように話スムーズに進んだことに驚いた。元凶が桜だと知った時には、なんで母と桜が繋がっているのだと、ため息交じりに背中がスウッとなるのを感じ、自分の部屋に戻った。
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次の日の朝は、ドタバタ音に起こされ、両親の出発を見送った。
行先は、父の主張先のアメリカの都市、それらについて行く形で両隣の家の親と母が旅行する。
父が不便だなと感じつつ見送ったが、着いてから少し時間があるそうで父もまた旅行を楽しめる時間があると知り少しほっとした。
しばらくして、インターフォンが鳴り、玄関の扉を開ける。当然そこには幼馴染がいる。
中に招き入れ、僕達の忘れることのできない夏休みが始まった。
その日の夕方、家の電話が鳴る。母からの電話だ。
これから飛行機に乗るから、悪いことをしてはだめだよという連絡だっだ。
「いい?食事は一日三食、ちゃんと寝て、宿題もしっかりね。あとは・・・・・ets」
いろいろ言われ、2人に変わってほしいといわれたので代わる。2人とも自分の親と話をしていた。
桜の「うるさい」という怒鳴り声には驚いたが...
桜の後に話していた大地からじゅわいを受け取り、母は「みんな仲良くね」といい電話を切った。
高校生のお泊り会、しかも夏休み初日
まあ僕たちはゲームをしたり、映画を見たりと夜が明けるまで遊びつくした。
目覚めたのは昼過ぎだった。
リビングルームで遊び疲れ三人仲良く雑魚寝していた中、電話が鳴る。
まだ寝ている体を無理やり動かし、その電話に出る。
男の声であった。父のきりっとした声ではなく知らない男の野太いの声であった。
「湊さん宅の電話でしょうか。」
「はい。そうです。どちらですか」
「私は湊社長の下で働いている唐草です。」
「父ならいませんよ」
「いえ、違います。まだ知らなかったのですね。」
「何が?」
「社長の乗った飛行機が...墜落したことを。」
!? 突然の話に頭がついてこなかった。
「今なんって言いました」
「社長の乗っていた飛行機が堕ちました。詳しくは分かりませんが、生存の見込みはうすいと...だけ」
「そうですか」
そう言い、受話器をもとの場所に戻した。戻すとき男の声が聞こえたが、何を言っているのかは分からなかった。
「誰からの電話?またパパ達から?着いたって連絡?」
そこには眠りから覚め、電話終わりに声を掛けてきた桜の姿。僕は桜の顔を一度見て、うつむいた。
「違う...」続く言葉が見つからず、そのまま桜の前を横切り、ダイニングルームにあるソファーに座った。
2人に真実を伝えたのは大地が目覚め、昼過ぎの遅い朝ごはんを食べた後だった。
真実を聞いて1人は「嘘だ。嘘だといって」と僕の胸ぐらを泣きながらつかみ揺らす。1人は部屋の隅でうなだれ涙を流していた。
僕はその中で一緒に涙を流すことができなかった。
2人が落ち着いたのは日が暗くなった頃だ。2人は泣き疲れ眠ってしまった。
暗いダイニングルーム、眠る2人を横目にソファーに座り、テレビをつける。
飛行機墜落のニュースが流れている、「生存者捜索中である、現状は生存者は見つかっておらず」という言葉を聞き、僕は自分の目から零れ落ちる雫を感じ始めていた。
数日の間、家での会話はほとんどなかった。それぞれが悲しみ、憂い、考え込む。
電話の男唐草さんも心配し自宅に来てくれたが、余り覚えていない。
鳴る電話、とる気力もなく鳴り続ける。食事ものどを通らない。それに3人で一緒に食事をとっていない。
そんな中でも、3人は1人にならないよう近くにいた。
そのような日常の中、とある事件がおこる。
この時の3人の子供は知る由もなかった。
現状を飲み込むことで精一杯であった。
その事件は今後長く語り継がれる大事件となる。
暗き夜、始まりの足音が鳴り響き、とある家の扉が開いた。
この物語の面白さを引き出せるか不安ですが、末永く付き合ってほしいです。