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dear my brother (原題:それだけで)

それだけで。

それだけで壊れちゃうほど、私と貴方の関係は脆くて。


いや、そうじゃないんだろうね。

私は分かってた。

この恋はしちゃいけない、どうしようもないものだって。


壊れちゃうって分かってた。

分かってたけど、止められなかった。

だって。

告白しても、失敗しても。

元にならば戻れると、私はそう思ってた。

戻れないものなんて、ないって思ってた。

そんな、私の残酷なまでの世間知らずさ。


だけど。

やっぱり現実は規範的で。

やっぱり現実は無情なもので。

やっぱり現実は不可逆なもので。

私と貴方の恋だけじゃなくて

私と貴方の関係も壊れて。


私と貴方はこうしてバラバラ。

元になんて戻れないのね。



私は間違ってしまった。

どこで歯車が狂ってしまったかなんて

そんなものは分かりきったことだったから。


だから。

もしも神様が私の願いを今叶えてくれるならば。

私を好きになって、なんて、そんなお願いはしない。


どうか。

どうか。

私たちの関係を。


もう、今度はわがままなんて言わないから。


元に戻して、ください。


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