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焦がれ (原題:貴方の背中を)
貴方の背中を追えなかったのは
きっとあの頃の私が子供だったせい。
私の手は短くて。
あなたの背中に届かなくて。
伸ばせるだけ伸ばして。
だけどやっぱり届かなくて。
あれから随分時も経って。
だけど、何時までたっても貴方の背中に
私の手は届かない。
私だって努力してるんだよ?
諦めなんて知らないから。
もう私はオトナになったんだから。
でもね、私の手は届きはしないんだ。
私の歩みが遅いから。
貴方の足が、早すぎるから。
報われない恋だって分かってはいるんだ。
だけど恋ってきっと、どうしようのないものだから。
諦めることなんてできないから。
今日も私は、未だ遠い、貴方の背中に手を伸ばし続ける。