なな
「あの、、、レイさん?」
「はい、、、」
泣きながらこっちを見る。
「僕を茶化しているわけじゃないんだね?」
「当たり前です。」
「僕は何歳だろうが気にしないよ。」
何故だろう。
彼女を抱き締めたい。
「嬉しいです。ありがとうございます!」
出会って初日。
何故こんな風になってしまったのだろう。
友達を作るというために、彼女は嬉し涙を流しているのだろう。
「しかし、僕らは出会って初日!さぁ元気出して。お互いのことを紹介しなくちゃ。」
「えっ?」
「僕はワカイサクラ。両親を事故で亡くして今は一人暮らししてるよ。趣味はギターとラノベとかアニメ見ること。特技は料理。好きな食べ物は肉じゃがだね。こんな僕だけどよろしく。」
「ありがとうございます、、、」
「ほら君も自己紹介して。」
「私はキタムラレイです。25歳です。趣味は読書と映画を見ること。特技は絵を書くことです。歳上だけどよろしくお願いいたします!」
号泣。
ありがとうございますの連呼。
怖かったんだろう。
10歳上の自分に友達が出来るか?
ドン引かれるんじゃないか?
「だけど、10歳年上って言うのは僕にだけの秘密にして。」
「えっ!?」
「お願い。」
「わかりました。」
僕は、何歳上だろうが気にしない。
とくに理由は無いけど、、、
でも、僕みたいな人間ばかりじゃない。というか僕が異常なだけだ。
きっとみんな受け入れられないだろう。
慈悲の無い世界
二次元とは違うのだから。
「きっと、、、みんなに言うと離れてしまう。」
顔色が変わった。
泣き方も変わった。
僕の心はキンと痛む。
それ以上の痛みが彼女にはあるハズだ。
僕は、、、
彼女の両肩に手を置き、
「僕は全て受け入れる。年齢がなんだ。僕は友達であり続ける。」
なんて熱血キャラなんだろうか。
上條さん以上ではないだろうか?
なんてね。
偽善者みたいになってしまったが、僕はそういうのは関係ないと思うのだ。
ただ単純に。
その後色々な話をした。
予想以上に話が合った。
彼女の心は僕と同じ15才のようだ。
たかが出会って一日
生活が激動した。
いや、、、高校生活っていうのはこういうものなんだろう。