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よん

川沿いというのはいろいろなモノが目につく。



缶、ペットボトルなどのゴミ



歩く老人



走る小学生



溺れている犬



それを助けようとするキタムラレイ



自力で岸に上がる犬



そして、溺れているキタムラレイ


まぁなんて、冗談っぽく話したけど一大事だ。



「だ、大丈夫ですか!?」



僕は制服を脱ぎながら川に向かう。



いや、、、でもこの川、浅いはず、、、



キタムラレイに近付き僕は



「大丈夫ですか?」



僕の腰の辺りまでしかない場所でどうして溺れているのかなぁ?



そんな風に手を差し伸べた。



「ありゃりゃ?」



僕の手を握りしめそんなことを言いながら立ち上がった。



「これをどうぞ」



岸に上がりバックからタオルを出し渡した。



「あ、有り難うございます!!ワカイくん。」



「覚えてくれていたとは、、、まさかでしたね。」



「え、ご、ごめんなさい!勝手に覚えちゃって」



「い、いやいや。嬉しいですよ!」



「ワカイくん、女子からモテるし、、、」



「いや全然ですよ、、、」



今まで、単に話し掛けられていただけだ。



話しやすいオーラでもでてるのだろうか?



「わ、私、ワカイくんに何か悪いことしましたかね!?」



泣きそうな顔で、大きな瞳で僕を見る



「い、いや別に、、、どうしてですか?」



「私のこと何時も怖い顔で見てるから、、、」



気付かれてたっ!?



ヤベー恥ずかしい。



穴があったら入りたい。



「怖い顔は素からだよ」



笑顔で言って場を和ませようとする。



「あと、それです。私が言いたいの!」



「えっ!?」



「ワカイくんって笑わないんです!それも作り笑いってバレバレです!」



、、、



笑ってない?



言われて見れば、僕の人生他人と話して笑ったことが、、、



ないかもしれない。



「うーん。言われて見ればそうかも、、、なんだろ笑い方がわからないんだよね」



「面白かったら自然に笑いはでるのです。」



「まぁ笑顔を見せたく無いっていうA、、、えぇと心のバリアがあるのかも。」



ATフィールドなんていってしまえば、また中学時代みたいになる。



あれはやりづらい



「所謂ATフィールドみたいなモノですね。」



お前が言うんかい!



とツッコミたくなる衝動を抑えて



「ATフィールドって何?」



と言ってみる。



「心のバリアです!エヴァンゲリオン、、、綾波レイとか知りません?」



「うん。知ってるよ」



「あれに出てくる単語で、、、あぁ、、、女なのにエヴァンゲリオンとか見てるっておかしいですか?」



「うーん、、、おかしくないよ」



「嘘に聞こえます!」



「さて帰りましょうか」



「誤魔化さないでください。」



「さて帰って風呂に入らなきゃ。だって、、、」



「?」



「風呂は命の洗濯よ。でしょ?」


「そうで、、、ATフィールド知らないって嘘つきましたね!」



顔を真っ赤にして怒る彼女。



羞恥心のほうが強いらしい。



たかがミサトさんの名言を言ったごときで、、、



「ははっ」



不意に僕は笑った。



「笑った、、、」



大きな目をくりくりとさせながら驚いた顔で僕を見る



「は?」



「笑いましたぁ!」



笑顔で言う。



あぁなるほど。



「僕も笑う時は笑うさ。そんな驚かなくても、、、」



「なんか皆の知らないワカイくんを一足先に知ったという優越感ですね!」



「く、く、く、下らなっ!ははは!」



なんだよそれー!!



「なんで笑うんですか!」



「いやいや。面白いなって」



つーか笑うとこ見れて喜んでたのに今度は怒るし。



わけのわからない人だ。



「面白い、、、ですか?」



「うん。よしそろそろ帰ろう。」


「はい。そうですね。」



立ち上がり、鞄を拾い上げさよならと言おうとする。



というか冷静に考えたら途中からタメ語になってたな。



まっ、いっか。



「んじゃ。気をつけて」



自宅に向けて歩き出す



「また明日、、、あっ!」



この「あっ!」は、、、



いやいや変な想像をするな。



いや、、、でも、このパターンはよくラノベで読むじゃないか!



いやいや、しかしなぁ



まぁ現実に任せよう。



「なんで私を怖い顔で見つめていたのか聞いてません!」



ガクッ



少しでも期待した僕がバカだった。



恥ずかしい思いをした。



「理由は自分でもわからないんだ。ごめんなさい。」



「そうですか、、、あと私と友達になってもらえませんかっ?」



不意に放たれたその言葉。



それをしっかりと脳で受け取ったか解らない早さで僕は



「もちろん」



と答えていた。

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