さん
午前はテストだけだった。
終わったかぁ。
僕は普通の成績だ。
出来は上々。
昼休み。
「ワカイくん。お昼一緒に食べない?」
なんて積極的なんだ。
女子とお昼なんて、、、
いや、まぁ中学の時も隣席する6人づつでグループで食べることになっていたから別に何も変わりはないんだけど、、、
5対2って、、、
トウタ、、、ニコニコながらいいよとか言ってんじゃねぇよ!
トウタは中学時代もオタクという事はバレてなかった。
僕は、、、
いやいい。話したくない。
まぁ食事くらいいいか。
と一緒に食べる事にした。
「サクラくんって意外と面白いんだね」
不意にそんなことを言われた。
内容を全く思い出せない。
ケラケラ笑うのを見れば面白いことを言ったんだろう。
心ここに在らずだ。
さっきからキタムラレイを眺めている
沢山の男子からのアプローチを受けている。
あわわわ、、、という感じでオーバーヒートしているという感じ。
可愛いらしく愛らしい。
しかし、なかなか本性を出さないなぁ
「サク、これくれよ。」
「やめろよ!だいたいお前、僕が作ったもの不味すぎて食えないって何時も言うじゃないか。」
「えっ、ワカイくんって自分で作ってんの!?」
「う、うん。一人暮らしだからね。」
「マジ!?いいなぁ」
「一人暮らしって寂しいよ。まぁ、小学生の時に両親亡くしてそっからほぼ一人暮らしだから寂しいってのは無いけどね」
「、、、ゴメン。」
深刻そうに女子が謝る。
「いやいや。別に気にしてないよ。なんだかんだ楽だもん。トウタも両親亡くしてるんもんね」
「あぁ。祖父母に育ててもらってる。」
「二人ってカッコいいね。」
「「へ?」」
「いやなんか、強い人間だなぁって」
まぁ人間強度は強いだろうなぁ
阿良々木くんじゃないけど友達も少ないし。
「ありがとう。」
「いや、別にお礼言われるようなことじゃ、、、」
コグレさんか、、、覚えておこう。
「ってことでサク、頂くぜ。」
「あっ!、、、バカ野郎。」
グー
「痛っ!酷いな、たかが唐揚げ一つで!」
「食べ物の恨みは怖いんだよ。」
「まぁ、今回は旨かったな。」
「なんだよ、気持ち悪いよ。僕らはカップルかよ。嫌だよお前の彼女って設定すら嫌だよ。」
「酷く傷付くなぁ、おい。唐揚げのパワーってなんなんだよ。」
ケラケラと女子が笑う。
そんな感じで僕の高校初の昼休みは終わった。
キタムラレイは男子10人に囲まれて気まずそうに弁当を食べきれずにいた。
顔を真っ赤にしながら。
なんだよ、、、と小さく呟いた。
僕がだけど。
さて、掃除時間。
何も特にない15分間。
知らない人とトイレ掃除の気まずいクォーター
コナンくんもさすがにこのクォーターは切り抜けられないだろう
まぁ僕は気にしない。
「お前って女子からモテるな」
えっとタシロくんだっけ?
「モテないよ。ただそんな風に見えるだけだよ。」
「お前顔が整ってるしな。」
「そうなのかな?解らないけどありがとう。」
「褒めてねえよ!リア充!」
「初対面の人間にそんなこというなよ!君はまさかボッチダンサーか?」
「痴音みたいに言うなよ!」
「まさか知っているとは思わなかった。」
「知ってるよ。俺、ニコニコ動画好きだもん」
「ニコ厨ってやつだね」
厨って言葉嫌いだけど。
「まぁそういうことだ。」
「じゃまぁよろしく」
手を出す。
握手のサインだ。
しかし彼は
「友達は作らない主義なんだ。人間強度が下がるから。」
「どこの阿良々木くんだよっ!」
「お前とは気が合いそうだなぁ。いとこ。」
「きっと君が初めてだよ。阿良々木くんから藤和エリオにキャラチェンジしたのは!」
「やりおるなお主。」
「それが忍意識だったら疲れるけどな。」
新しい友達が出来た。
らしい、、、
午後。
レクリエーション。
部活勧誘やその他もろもろ。
部活に入る気なんてないんだけどなぁ。
キタムラレイは先輩方がやる芸に手を叩いてニコニコしていた。
大笑いする回りの女子のとは違う笑い方。
いやいや、、、僕はなんでずっと見てるんだ。
ただのクラスメイトだろう?
僕の嫁は綾波だけ、、、ってかなり痛いなぁ。
「サク、帰ろうぜ。」
「あぁ。」
桜並木。
パラパラと落ちる桜。
「んじゃさよなら」
「さよならなんて悲しいこと言うなよ。」
トウタ面倒くさっ。
まぁスルーして帰る。
川沿いの並木道を。
まぁ未来ってのはどうなるかわからないから楽しいって言うけど
未来を知って、改善をするほうが楽しいと思う。
いや、別にこの先の展開になんの関係も無いのだけれど。