いち
ゆっくり更新です。
感想などお待ちしております。
誤字脱字ありますがなんとなくでつかんでください。
春。
高校生に上がるからといってもなんら気持ちが高まるわけでも中学校にノスタルジックな感情を持つわけでもない。
三次元にそんなのは不必要だ。
いらないよ。
はぁ早く、早く帰りたい!
「お前高一の最初の日に何考えてんだ?」
隣から、こそこそ話をしたいらしいタニグチトウタの声がした。
「勿論、世界の平和を願っていたんだ。」
僕は笑顔でそう応える。
「嘘ついてんじゃねぇよ。」
「嘘なんかついてないよ。」
当たり前です。
世界平和はみんなの望みだ。
この日は、入学式だけだった。
午後からはフリーだが
僕にはやるべきことがある
「今日、一緒に秋葉行かないかい?」
トウタが問う。
「なんだよ。お前高校生になったらそういうのやめるんじゃねぇのかよ?」
「そんなお前の幻想をぶっ壊す!」
「お前ってそんな熱血キャラだったんだな。」
しかも意味解らないし。
幻想って、、、
お前さんが言った言葉だろうがい
「僕は今日用事があるからまた今度ね。」
「つれねぇなぁ。」
二つあるんだ。
一つは別に大切な用事じゃないけど。
「つーか、トウタも来てよ」
「なるほど、、、」
「そんなに露骨に怒るなよ」
「あんたバカァ?不愉快なだけだ。」
そうかい。と返す。
なんだかんだついてきてくれるのがトウタだ。
「一目惚れしました!付き合ってください!」
今日だけで6人か、、、
「僕、君の事を知らないから、まずは友達からでいいかな?」
この言葉も6回目か、、、
ありがたいんだけど。
迷惑も付いてくる。
今、興味ないんだ。
「有り難う」
「お前さぁ、中学校の時もアレがバレなければモテモテだったんだよな?」
「わかんないよ。」
きっと高校生になって心が浮かれていたんだろうね。
だから簡単に告白したんだろう。
「あと一つってなんだよ。」
「いやいや別になんでもないよ」
読書だ。読書。
10冊。
買いすぎたかなとはちょっと思ったけど。
まぁ好きだからいいや。
桜が咲くこの道を歩く。
「綺麗だな。」
この世界にもこんな綺麗な物があるんだよな。
僕が、、、間違っているのか?
いやそんなはずはない
「じゃあな」
「うん、じゃあね」
トウタと別れ、自分の家へ帰る。
「ただいま、、、レイちゃん」
どんなにモテようが
僕はオタクだ。
三次元の女子には無い、全てを優しく包み込む彼女たち
三次元の男子には無い、全てを乗り越える彼らたち
最高じゃないか。
ライトノベライズの中での学園生活が僕にとって望む青春なんだ。
とある主人公じゃないけど
幻想をぶっ壊された。