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みぃちゃんとぼくとポップコーン

 「ポップコーンっておいしいよね。」

 そう言ってみぃちゃんはガスコンロに置いたフライパンに油を垂らしてホール缶を開けてスイートコーンを振り入れた。

「このとうもろこしがポップコーンになるなんて、不思議だよね。」

 みぃちゃんが点火ボタンを押しながらこっちを見た。笑っている。

それはポップコーンになるわけないじゃん、と言いたい気持ちをぼくは押さえた。みぃちゃんの笑顔がかわいくて。

「パチパチパチパチ。ジュージュージュー。」

香ばしくコーンが炒められていく。と思ったらみぃちゃんが口でパチパチパチパチジュージュージューと言っているだけだった。

 何がしたいんだ。この引きこもり中学生は。


 しばらくして、

「ねぇ、これ本当にポップコーンになるの?全然弾けないんだけどっっっ!!」

みぃちゃんが逆ギレしている。

「蓋をしなきゃじゃない?」

ぼくは適当なことを言った。みぃちゃんと一緒にキッチンにいられるのがうれしいから。

「そっか、ふたをね。忘れてた。」

みぃちゃんはふたふたふったーと言いながらシンクの引き出しを開けて蓋を探しはじめた。

なんの替え歌なんだろ。


 みぃちゃんは蓋を戸棚の下の引き出しから取り出した。それをじゃじゃーんって言いたそうに頭上に持ち上げたりしている。ぼくは無視している。

 受けをあきらめたのか、みぃちゃんはフライパンに蓋をしようとしたその時、みぃちゃんの顔色が変わった。

「まってまって、これなんか変。柔らかいし香ばしくなってる。コーンバターみたいになってる。ポップコーンになってないっ。ちがうよこれ。これポップコーンじゃない。」

 真実に気付いたみぃちゃんは頭をかかえて混乱している。ぼくは爆裂種について教えてあげたい気持ちをこらえた。

 「ほんとだ、一生はじけることのできないみぃちゃんの人生みたいだね。」

 「ひどい」

みぃちゃんは泣いて、ぼくは笑っていた。

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