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守旧派は金で殺す、攘夷派は理で殺す。――幕末に転生した効率厨サラリーマン、内戦はコスパが悪いので和算と裏金で歴史を書き換える  作者: 関沢賢吉


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 まあ、荒れに荒れてる。ペリー怒鳴る。向こうの通訳も同じように声を荒げて蘭語で話す。箕作様日本語へ。ジョンさんは誤訳がないかのダブルチェック。日本側返事。また怒鳴られる。


 初日からその傾向があったため、勝様には伝えた。「あんなもん、佐久間様だと思ってください。ただ吠えるしか出来ないバカです。デカい犬が吠えていると思えば良いんです」。でも、最初にジョンさんがやられた。ダイレクトに罵声を浴びるだけ。サンドバッグ状態。次に勝様以外の役人たち。日に日にグロッキーになっていく。そしてダウン。KOされた。向こうのオランダ語通訳もだいぶキツそう。


 役人って役に立たんね。権威が通じなくなると途端に萎縮する。むしろ、普段如何に権威に守られてるかってことが理解できたかな?役に立たん人が役人、これ如何に。でもジョンさんが使えないのは痛い。


 1日休養日を作り、ジョンさんを休ませるとともに、勝様と調所の皆さんと打ち合わせ。英語も蘭語も親書には、「友好的に開港しよう」と明記されている。つまり、そっから先の条件を飲ませようとするのは、ペリーの独断。見たことない黒船で威嚇し、いつでも戦争し植民地にできるぞと脅す。そして、それを吠え続けてる。中身はない。ということが、国際法と蘭語を理解してる人たち全員の総意。


 このままでは最後押し切られて終わるだけですよ?そして他の役人は役に立たない。勝様頑張ってー、って呑気に言ってたら、「何か策があるんだろう。早く言え」って。


 「一番手っ取り早いのは、私があの場に入ることですが可能ですか?とりあえずジョンさんの代わりってことで」


 「お前は英語も分かるのか?」


 そう来るよね。想定内。


 「はい、オランダ船で習いました。英語を使える人と仲良くなったので。ただ、発音が通じるのかはまだ分かりませんが」


 英語はちょっとだけしか習ってない。でも仲良くなったのは本当。国を出るお誘いまでされたし、個人的プレゼントもくれたし。ハッタリかますには虚実を混ぜるのが一番。ただ、調所の皆さんまで「マジで?」って顔するのやめて。


 「確かに中浜はだいぶ弱っておるな。しかし、それ以外の連中弱すぎる。いささか頼りなさすぎる。では、中浜の体調が戻るまで、ということでお前を強引に入れるとしよう。役立たずどもに文句を言われる筋合いもないしな」。


 これで第一関門突破。



 『おい、極東のサルの次はガキだぞ。この国マジかよ?』


 『そのガキの言葉聞き取れますか?それとも』「蘭語の方が伝わりますか?」


 『…一丁前に言葉は通じるみたいだな。でも大事な交渉の場に、こんなクソガキ連れてくるなんて舐めてんのか?』


 『少なくとも大事な交渉の場で吠えるしか出来ないバカよりは、まともだと思いますけどね。』「どう思いますか?通訳さん」


 『テメェ、なめてんのか?』


 『お前に聞いてないだろ!黙れ!!』


 「……俺も気分良くはなかった」


 「ですよね。あなたに対しては、聞かれてまずそうな内容はオランダ語で良いですか?」


 「頼む。この人らはオランダ語は分からないから」


 「では、あなたにだけ話しかける時はオランダ語にしますね」。『良いから座れ。立ったまま図体でも威圧するのがお望みならば、俺は椅子の上に立つけどどうする?さっさと決めろ』


 『…お前なにもんだ?良いだろう、座ってやる』


 カマシてくるヤツはカマシに弱い。吠えるヤツは吠えられに弱い。煽るヤツは煽りに弱い。でもこっち側の人まで、口ポカーンはやめて。また舐められるよ?




 「藤二、お前何を喋ってたんだ?」


 ただの自己紹介ですよ。気にしない気にしない。





 ようやくまともな交渉になって来た。上げた拳の下ろし方がまだ見つかってないみたいだけど。落とし所をどうするかな。大統領親書に関しては世界情勢考えればやむなし。開国して貿易したい、難破船助ける、水と燃料補給させて。何の問題もない。問題は日本側にある。オランダ以外との交易を積極的にやるのか。日本のためにはなるはず。でも、幕府のためにはならない。俺は前者のスタンス。勝様に決断迫るかな。その前に確認。


 『国際法に則った交易ならば可能性はあるけど、当初吠えまくってた条件は一切削除。どうしたい?』


 『だったら大砲撃ち込むだけだ。支配してやる』


 『じゃあお前は大統領令を無視して開戦して、数年間国に帰れないことを覚悟出来てんだろうな?』


 『数発撃ち込めばこんな国すぐに黙るだろ?俺が叫んだだけで青くなるような連中だぞ?』


 掛かった。


 『そうか、そんなに凄い大砲積んでんのか。すげーな。じゃあさ、この国なりに開発した大砲があるんだけどさ、ちょっと見てくれよ。世界の最新鋭から見てどうなのか教えて欲しいんだけど、まさか見ることすらしないなんて怖気付かないよな?』


 『見せてみろよ。どうせショボくて笑ってやるだけだろうけど』


 友さんをチラッと見る。駆け出す。走れ友さん!


 望遠鏡を渡し説明。


 『お前らの黒船の向こうに旗のついた小舟見えるだろ?あれを目標に打つけど、良いか?』


 『そもそも俺らの船までも届かねーだろ。そんな見栄張るな。好きに撃ってみろ』


 はい、言質いただきました。


 「撃ちますけど、聞きましたよね?」


 「あぁ、信じられんけどな」


 旗を振って合図。山にこだまする発射音。黒船を超えて小舟に向かう。残念ながら命中はしなかった。小舟が大きく揺れて、その後、係留してる黒船も。黒船周辺は漁を禁止にしてたから、そこの安全は確保済み。砲弾のジャイロ効果って凄いね。さすが友さん。

 

 これが仕込みの第ニ弾。


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― 新着の感想 ―
期待があった分稚拙な交渉パートでがっかりな感じ ありがとうございました
翌々考えてみるとペリー提督もトランプ大統領も流儀は変わらん。 アレこそが米国のお家芸。 日本も160年も前から黒船、敗戦、プラザ合意、と三回も付き合って、結果は日本負けても、その後の米国も碌でもない後…
こっちの方が「大砲外交」してて大笑いwww
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