表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
守旧派は金で殺す、攘夷派は理で殺す。――幕末に転生した効率厨サラリーマン、内戦はコスパが悪いので和算と裏金で歴史を書き換える  作者: 関沢賢吉


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/60

1-46

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。正月関係なく、淡々と更新の予定を入れてありますので、本年もよろしくお願いいたします。

side 内田五観


 「内田殿」


 「どうされました?小野殿」


 「そろそろ明かしてはもらえませんか?」


 「明かす?何を?」


 「内田殿が急に洋算に明るくなった秘密。関流にて数独などという、全く伝統になかったものを取り組んだ秘密」。


 「いつから気付いておった?」


 「むしろ気付かぬとでも?乗数の分からなかった人が、急に洋算の記号を扱えるようになるなど、明らかにおかしい」


 「…………(ワシはそんなに洋算を苦手だと思われ、伝統に凝り固まってると思われているのか)……」


 「どんな秘訣で?何をどうしたらそこまで達者に?」


 「なぜそれを知りたいと?小野殿なら間違いなく右に出る者はおりますまい」


 「なぜより高みを目指すことを考えない?」


 ダメだ、この人には隠せん。口を割るまでずっと詰めて来る。


 「内弟子にした者が、思いの外、洋算が得意でして、その者に手伝わせました」


 「今その者はどちらに?私が何処へ出向けば会えますか?」


 やっぱりこうなるか。藤二め、次から次へと厄介ごとを引き寄せおって。


 「現在、実家に帰省させておりまして、近いうちに帰って参ります。帰りましたらお声掛けを」


 「とりあえず今日、帰りに内田殿の方へ寄らせてもらいます。まだ帰ってないようでしたら、また明日」


 「今日ですか?無駄足になるやもしれませんので、帰って来ましたら」


 「今日寄ります。では、後ほど」


 無理だ。こうなったら箕作殿でも無理だろう。もう、色々諦めた方が良いのかな?



—-------------------------


 内田様が知らない人を連れて帰って来た。新しい弟子志願?それにしては、内田様に年が近いような。


 「おかえ」


 「お主が藤二殿か。早速これを見てほしい。この蘭書とワシなりの理解の式、これを見てどう思う?」


 出されたのは数式だった。前世で概念が全く理解できていなかったため、すっかり抜け落ちていた数式。蘭書で必死に理解しようとして、それでも理解までは及ばず、まだ到達出来てない数式。これを微分で証明してる。


 「美しい」


 反射的に出てしまった。


 「美しい?お主もそう思うか?」


 『も』って言った?この人、『お主も』って言ったよね?


 「美しいです!とてもとても、一切の無駄がなく、過不足のない証明です。先生」


 思わず見ず知らずの人を先生って呼んじゃった。


 「一つ聞きたい。お主が思う、算法に対する一番の不満は?」


 「『0』の表記がないことです」


 その瞬間、両肩を掴まれる。俺も腕を掴み返す。


 「そうだ、0はあるんだ」


 「そうです。0は0として存在するんです」


 相手が女性なら、その場で抱きついてた。相手がオッサンだったからこそ、ギリギリそこは踏みとどまれた。無条件で、ノータイムで涙が溢れ出た。


 オイラーの公式からの涙、よくよく考えると、カオス以外の表現のしようがない。


 正直諦めてた。和算にはない考え方だと。でもやっぱり、慣れただけで、0がないことを受け入れてたわけじゃない。しょうがない、と納得させてただけなんだ。


 せっかく感傷に浸ってたのに、内田様からの邪魔が入った。いや、分かるんだ。自分が連れて来た客と、自分の弟子が初めて会った者同士が勝手に盛り上がるなんて、どうして良いかも分かんないよね。


 「…あのー、小野殿、良いか?」


 「これはすまんかった。まさかこの感覚を共有する人間に出会えるなんて、と思ったらつい」


 この人も同じこと思ってたんだ。


 「とりあえず藤二、小野殿を客間へ案内しなさい」


 その人の名は小野友五郎というらしい。同僚みたいなもんだと。ま、きっと部署が若干違うくらいなんだろうな。洋算の第一人者だそうな。とりあえず顔合わせすんだから、今日は遅いからまた後日ということでお開き。ホントにこの人、俺に会うためだけに来たの?それはそれで凄いな。でも、本当に嬉しい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
小野友五郎....天文方?測量屋?軍人?
この世界の朝ドラで前半の見せ場?な抱擁やな
 明けましておめでとうございます(*`・ω・)ゞ今年もよろしくお願いいたします。  内田(…(*´・д・)ナンダコレ)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ