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3.一号と行く王国への道

内容を思いつくのが早かったのではやめに載せます。

 いつの間にか朝日が登っていた。昨日のことがまるで嘘だったかのように、私はどこかのベッドで寝ていた。でも、当たり前のように、隣には"彼"が居た。


「起きたか。えっと…」


「シュナエル・アイゴット。シナって呼んでください。」


彼にはまだ名前を教えてないし、教えられていない。


「シナ、か…いい名前だな。俺はリーベルだ。よろしく。」


「よろしくお願いします…」


「それで…なんだが、昨日はどうしてレッドスペシャルモンスターに追いかけられてたんだ?」

「というか、なんで魔族の領地である森になんか足を踏み入れたんだ?」


「えっ?あの森、魔族の領地だったんですか?」


初耳だ。今までそんな話を聞いたことがない。


「知らなかったのか…とはいえ、あの森にレッドスペシャルモンスターが住み着いているなんて話聞いたことないぞ。」


「私も、あの森に住んでて、一度も見たことありませんでした。」


「ちょっとまて!?今凄いヤバいことを言ってなかったか!?あの森に住んでるとか…。」


「はい。あの森の中に家があって、そこに住んでました。」

「お母さんが死んだあとに元冒険者であるお父さんと一緒に魔物を狩りながら住んでました。」

「ですがお父さんが『お前はここよりも勇者学校で同年代の友達と楽しく過ごしたほうがいい』って言って私も友達とかいたことないので作ってみたいな〜っていう軽い気持ちで学校に入ることを決めました。」

「夕方に出たんですけど何か嫌な感じがして早くこの森を出ようと走ってたら雄叫びが聞こえてすぐ近くにあの魔物がいて…それでこのまま森を出たらすぐ近くの村の人達に被害が出るって思って森で何とか撒こうってずっと走ってたんです。気付いたらあたりは暗くなってて私の体力も限界が近づいてたので一か八か森を抜けてすぐのところで迎え撃とうと思ったらリーベルさんとぶつかって…」


「それで、気付いたらベットで寝てたと…」


「はい。あのときはリーベルさんがいて助かりました。リーベルさんがあの魔物を倒してくれたおかげで村にも被害が出ずに済みました。改めましてありがとうございます。」


私はリーベルさんに頭を下げて礼をした。


「顔上げて!そんな大したことじゃないから。」


「大したことです!あれだけの魔物をたった一人で、しかも指で突いただけで倒せる人なんていませんよ!」


「そ、そうか…というか、シナは勇者学校に入学するんだよな?俺も勇者学校に入学するために王国に向かってるんだ。一緒に行動しないか?」


「リーベルさんもですか?私学校に通うのは貴族だけだと思ってたので…いや、あれだけの強さを持ってたら推薦とかも来るのか…」


「よく俺が貴族じゃないって気付いたな…」


「貴族は常に身だしなみを気にするので…というか、貴族は普通豪華な馬車に乗って王国に行くものですから。」


こんなに素敵な人が平民で、しかも同じ勇者学校に入学しようとするだなんて…

友達に…なってくれるかな…?


「そういえばシナって友達がいないんだよな。俺も友達がいないから、よければ友達にならないか?」


「ふぇ!?は、はい…!友達になりましょう…!」


まさかリーベルさんから誘ってくれるなんて…!変な声出ちゃった…


「お互い、友達一号だな。改めて、これからよろしく、シナ。」


「よ、よろしくお願いします…!」


私は自然と、笑顔になっていた。



〜〜〜



 俺は今疑念がある。俺は確かにあの日レッドスペシャルモンスターを倒したあと安心したのかシナが倒れた際に記憶操作の魔法を施した。なのに次の日、シナは俺が助けたことに対してお礼をしてきた。あの時の状況も鮮明に覚えていて、まるで記憶魔法が効いてなかったかのように。


「考えても仕方ないか…」


とにかく今は勇者学校に入学することが優先だ。

シナから勇者学校のことを聞いて驚いたが妨害をするなら勇者の育成を阻止するのが一番手っ取り早いから入学する体で王国に入れるならそれはそれで得になるからな。

俺とシナは今シルヴァ王国行きの貨物用の馬車に警備する代わりに一緒に連れてってもらっている。

運転手さんに訊くとどうやら明日の昼前には着くとのこと。勇者学校の入学試験は明後日だからこのまま順調に行けば余裕で間に合う。

だが現実というのはそう簡単にことは進まない。既に十人ほどの何かが馬車に付きまとっている。恐らくタイミングを見計らっているのだろう。短剣を握って待ってるということはあと数分したら一斉に攻撃を仕掛けるだろう。

今の内になんとかしてやりたいのはやまやまだがここでこういうやつに限って偽装スキルが高い場合が多い。万が一俺でも見抜けないほどのスキルの高いやつがいた場合追い払うことはできるが俺の情報が他のやつに話され警戒される。だから一斉に攻撃をしたタイミングで一気になぎ倒すのが手っ取り早いし、取りこぼすこともない。運転手さんには申し訳ないが我慢してほしい。

そんなことを思っていると一人が合図がなにかの行動をした。

直後一斉に跳び始め、運転手さんに向かい攻撃を仕掛けてきた。


「勝負はついたな。」


「えっ?」


おっと、急に変なことを行ったからシナが驚いているじゃないか。失敬。

俺は立ち上がり運転手さんに向けて手をかざし、唱えた。


「――――ワープホール」


運転手さんの周りには黒い平面の丸が複数出現した。

そこに短剣を入れてしまったやつらは一瞬の出来事に驚きしかできなかった。

なぜなら自分の短剣が、仲間の身体に刺さっていたからだ。

そして自分にも仲間の誰かの短剣が刺さっていた。

運転手さんは驚きながらも俺達が自分を守るためにしたことと気付き、気にせず馬を走らせる。

残った裏から攻撃をしようとした者たちが馬車の中に入ってくる。しかし


「こんにちは皆さん。さようなら皆さん。」


俺は挨拶をしてやつらの首を一斉に跳ねる。

死体は道に倒れていく。俺は死体をそのまま道に残しさっきと同じ位置に座った。


「す、すごい…たった五秒で倒すなんて…」


シナは感心しながらも状況を飲み込み気を落ち着かせる。



〜〜〜



 その後は何事もなく王国まで入ることができた。門のところで門番がどんな目的で来たのか、入国許可証はあるのかとか色々質問してきたがシナのお陰で問題なく終わった。


「明日だな。試験。」


「うん。緊張するけど、頑張らなきゃ。」


「そういえば試験までの寝床はどうしたらいいんだ?旅とかしたことないからわからないんだけど。」


「基本的には宿屋かな。ご飯とかも作ってくれるから頼りになるよ。お金は持ってるよね?大体の宿屋はコストがいいからそんなにお金を持ってなくてもいいし。」


「えぇっと…申し訳ないんだが…一文無しでな…」


「嘘!?旅するのにお金ないなんて…」


魔族だから人族の通過など持ってるわけないからな。すまん。


「仕方ないから、払ってあげます。あっ。これは助けてもらったお礼ですからね!入学できたら寮があるらしいからそれまでです。」


「すまんな。いや、この場合はありがとう、か。」


「それほどでもないですよ。」


シナの顔はなんだか、温かいような笑顔を浮かべているような気がした。

面白い、応援したいと思いましたら是非☆マークを設定してくれるとありがたいです!




感想、ご意見等あればコメントで教えていただくとモチベーションや今後のストーリーの参考になるのでお願いします!



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