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なかみが男でも百合は成立するのだろうか 連載版  作者: 三毛猫みゃー
7章 冬から春へ

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第06話 メリー・クリスマス

 食事も終わり食器を片付け少し食休みでリビングで二人ソファーに並んでテレビを見ている。といっても、特に面白い番組がやってるわけでもないので眺めているといったほうが良いかもしれない。


「怜のお母さんのシチューおいしかったわね、今度作り方を聞いてみようかしら」


「あはは、そうですね」


「何かおかしかったかしら?」


「違います、さっき私も母さんに料理を習おうかなと思ってた所なので」


「うふふそうなのね、それなら今度一緒に料理を習いましょうか」


「まあ、学院に通っている間は難しいかもしれませんね」


「それもそうね、まずは自炊の真似事からでも初めましょうか」


「ですね、順番にお弁当を作り合うとかいいですね」


「楽しみだわ」


「でも私包丁なんて小学校の家庭科の授業でしか持ったこと無いんですけど」


「ふふ、なら最初のほうは一緒に作りましょうか」


「咲夜さんはお料理できるんですね」


「人並みにはというところかしら」


「それでも私からしたらすごいですよ、学院に戻ったら教えて下さいね」


「仕方ないわね、わかったわ」


「じゃあ、約束の指切りです」


 俺は咲夜さんに小指を差し出すと、咲夜さんが微笑みながら小指を絡めてくる。


「約束ですよ」


「ええわかったわ約束ね」


 絡めて炊いた指を名残惜しいけど離した、そろそろお腹も落ち着いてきたしケーキの用意をしようか。


「咲夜さんそろそろケーキ食べましょうか、飲み物は何が良いですか」


「紅茶をもらおうかしら」


「紅茶ですね、少し待ってくださいね」


 キッチンへ向かい再度電子ケトルにでお湯を沸かしながら冷蔵庫に入れていたケーキを取り出す。1ホールのケーキを6等分にして残りは冷蔵庫に直しておく、後で朱天や父さんと母さんに望姉さんが食べてくれると思う。


 お湯が湧いたので紅茶を入れてケーキと一緒にリビングに戻りテーブルに並べる。


「おまたせしました」


「怜ありがとう」


 再度並んで座る。


「「いただきます」」


 まずは紅茶を一口、母さんが買い置きしてたと思うはちみつ紅茶だ、めちゃ甘いけど美味しい。次にケーキをフォークで一口サイズにして口に入れる、ふわふわのスポンジとクリームがいい感じで美味しい。


「美味しいですね」


「美味しいわね、紅茶も最初は甘いだけかと思ったけどそうではないわね」


「ですね、ケーキの甘みをちゃんと洗い流してくれますし、ちょうどいい塩梅ですね」


 今度はいちごと一緒にケーキを一口、いちごでケーキの甘さが緩和されて美味しい、もう一口もう一口といつの間にか全部食べ終わっていた、最後に口の中を紅茶で洗い流す。


「ふう、おいしかったごちそうさま」


「ごちそうさま、美味しかったわ」


「それじゃあ片付けますね」


「私も一緒に片付けるわ」


 一緒にキッチンに移動して洗い物をする、洗った食器を咲夜さんに渡し、それを咲夜さんは拭いて食器棚に直してくれる。片付けを済ませリビングに戻ると一休み。まだ寝るには早いかなと並んでテレビを見るも相変わらず面白い番組はない。


「どうしましょう、もう寝ましょうか」


「そうねそうしましょうか」


 歯磨きなど済ませ一通り寝る用意を済まして寝間着に着替えナイトキャップをかぶる、この寝間着は帰って着たときにしか着ないせいか少し小さくなった気がする、新しいの買わないとダメかな。咲夜さんは学院から持ってきたいつも着ている寝間着を着ているが少し窮屈そうだ。


「怜のそれは少し小さい? なんていうか、その、胸のあたりが窮屈そうね」


「ははは、そうなんですよ、なんか寝間着が小さくなったみたいで」


「えーっと違う気がするけどなんていうか今朝まではもう少し───」


「あー、それ以上は言わないで下さい気なってたんですから、気づかないふりしてたんですから!」


「ふふふ、分かったわこれ以上は何も言わないわ、でも別に気にする必要はないのに」


「なんと言いますか、大きくなっても邪魔としか思えなくて」


「それは色々な人を敵に回すから言ってはダメよ」


「あはは……」


 何が大きくなったかと言うと、言わなくてもわかってくれるだろう、胸だよ胸なんだよ、ずっと身長含めて体の成長が止まってたのだけど観覧車で咲夜さんとキスをして位階が上がった弊害? 恩恵? まあなんでも良いか、そのせいで急に胸が大きくなってしまったんだよ、なんだろうな、なんなんだろうなこの俺の体はどうなってるんだろうな、これ以上位階を上げたらどうなるんだ? もっと大きくなるのか?


「とりあえず明日は下着を新調しないとですね、咲夜さんも、その、位階が上がったせいで大きくなったみたいですし」


「そうね、何なのでしょうねこれは」


 そう言って少し窮屈そうな胸に手を添えている、なんていうかなんていうか、目に毒なのでやめてほしいです。


「考えても仕方ないですし寝ましょうか」


「そうねそうしましょうか」


「あーっとその前に」


 部屋の窓を開けると冷たい空気が部屋に流れ込んでくる、それを我慢しながら窓から少し身を乗り出し屋根の上にいると朱天に声をかける。


「朱天、冷蔵庫にケーキあるから良かったら食べて、私達はもう寝るから、おやすみ」


「おぉ、わざわざすまぬの主殿」


 返事を聞きさっさと窓を閉める、部屋の温度が下がって少し寒い。さっさとお布団に潜り込む、俺に続いて咲夜さんも布団に入ってくる。


「咲夜さんおやすみなさい」


「怜おやすみなさい」


 俺と咲夜さんは手をつなぎ二人の体温で温まってくる布団の暖かさに包まれながら俺は眠りに落ちた。

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