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なかみが男でも百合は成立するのだろうか 連載版  作者: 三毛猫みゃー
1章 TSしたけど女の子って大変だ
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第07話 裏の世界は不可思議だ

 朝の5時に起こされ、朝食を食べた後には毎度おなじみ着せ替え人形のように巫女服を着付けされた、のじゃロリ神が着ていた改造巫女服ではなく普通の巫女服だ、その巫女服の上に薄絹の千早を羽織っている、千早にはササの柄が縫われていた。おばあちゃんとおじいちゃんは普段より少し上等に見える和装だったが姉ちゃんも俺と同じ巫女装束になっていた。


 着替えが終わると屋敷から空港に行き、小型の飛行機で1時間ほど飛んだ後再び車で移動になった2時間ほど移動した気がする。移動の間におばあちゃんからお守りを渡されて「即席の一時凌ぎだけどそれを触媒代わりにしなさい、怜の神気を外に出さないようにしておきなさい」と言われ試してみた。


 相変わらず俺の神気は思い通りに動いてくれて、身に纏わなくても漏れ出る気配は感じなかった、ばあちゃんと姉ちゃんからそこまで使いこなせてるなんてすごいと褒められた。


 目的地の場所はよくわからなかった、京つまりは京都だと思うんだけど地理を確認する前に目的地についていた、街中には入らないで何処かの山に入ったと思ったら大きな屋敷の前に着いていた、車が複数台停まっているのが見える。


 履物を脱いで屋敷に上がると、陰陽師のような服を着た60歳くらいの男性と30歳くらいの男性がいた。


「よう比売神の正月ぶりだな」


厳正げんせいか、わざわざ私達を待ってたのかい」


「まあな、ほかが集まる前に聞きたい事もあるしな、まだ時間はあるそこの空き部屋で少し話そうや」


「はぁ分かったよ、案内をおし」


 話は纏まったようでぞろぞろと移動することに、部屋に入ると絨毯が敷かれその上に長いテーブルと椅子がある部屋だった、外観は日本の屋敷なのに中身がこれとか違和感が半端ない。


「それで厳正何が聞きたいんだい」


「相変わらずせっかちだねー、まあいいその娘がそうなのかい、確か怜ちゃんだったか、儂は土門厳正どもんげんせいだ陰陽寮の統括をやっている、横にいるのは正治まさはるだ順当に行けば俺の後継者になる」


「真様、源一郎様、望さんお久しぶりです、怜さんはじめまして土門正治です、よろしくお願いしますね」


 どう反応して良いのかわからず取り敢えず会釈だけしておく、正治さんは服装で体型はあまり分からないが、首元を見ると結構ガッチリして鍛えているのがわかる、顔はまあ男目線で見てもイケメンと言ってもいいだろう。


「正治くんは相変わらずこいつと違って礼儀正しいね」


「はっはははは、そうだろそうだろ俺に似なくてよかったわ」


「はあ、相変わらずだね、そろそろ話を進めてくれないかい?」


「おうそうだった、まずは望ちゃんの件はこのまま進めても良いのか?」


 姉ちゃんと俺をチラリと見るのがわかった。


「その件ならそのまま進めておくれ、望も了承済みだ……けどどちらにしろ5年後の話だね、それまではそれどころじゃないだろ」


「まあな昨日連絡受けてから急遽占ってみたがこっちでも確認が出来たしな、望ちゃん5年待つことになるが済まねえな」


「いえ、私の方こそお待たせするみたいで、清春きよはるさんにはよろしくお伝えください」


「おうよ、あいつには浮気する暇なんて与えねーから安心しな」


 姉ちゃんがあはははと少し困り顔で笑っている、もしかして清春さんと言う人は姉ちゃんの恋人とか婚約者とかそんな感じなのかな。そんな事を考えていると部屋の外から声をかけられた。


「お話の途中申し訳ありません、予定より早い時間ですが皆様お揃いになられました」


「しゃあねえ話の続きはまた改めてにするか、おう済まねえな案内頼むわ」


「そうだね、待たせるとうるさいのもいるからね、さてと行くよ」


 急ぎ立ち上がり案内役の人に付いていくと、先程の倍ほどある部屋に案内された、部屋の中央に大きな丸机があり椅子は8脚だけあり既に6つの席は埋まっているようだ。

 空いている席にはばあちゃんと厳正さんが座り、俺たちはそれぞれの後ろに控えるように立っている、見た感じ円卓会議というものだろうか。


 ちらりと先に座っている人たちを見てみる、狩衣姿の男性、神主姿の男性、坊主姿の男性、着物に袴姿の女性、シスターの服を着た女性、フードが付いた星を散りばめた様なローブを纏っている女性の6人の姿が見える。それぞれの後ろに2,3人の付き添いが立っている、控えている人たちはパッと見た感じだけどみんなそこそこ鍛えていそうな雰囲気がある。


 狩衣姿の男性がぐるりと確認するように見回した後「さて、皆さん揃ったようですね、さっそく始めようと思います議題はお知らせした通り大厄災についてです」と話を始めた。


 それぞれがそれぞれの方法で確認をしたようで、5年後大厄災が起きるのは確定と言う流れになった、あと大厄災が近づくにつて前厄災なるものが起きるらしい、なんだよその前夜祭みたいな名前はと思ったのは仕方がないだろう。


 その後は特に場が荒れることもなくお開きとなった、俺たちが付いてきた意味ってあったのだろうか?帰りの車の中でおばあちゃんに聞いたら顔見せだったらしい、たまに視線がこっちを向くなーとか、探るように神気や似たような物が飛んでくるなーとかは思ってたんだけど、気づかないふりしていたのは正解だったようだ。


 あの人達はこの国で超常的な現象に対処する組織をそれぞれ抱えている。

 大戦以前は敵対していた組織もあるが、今では緩やかな共生を続けていて、今回のような大事が起きれば協力する関係を築いているみたいだ。これだけの組織が集まり共生している所はこの国だけらしい、さすが八百万の神というくらい多彩な神や信仰を許容出来る国ならではだなと。


 直接本人とは関わることはないだろうけど一応覚えておくようにと所属と名前は教えてもらった。


 狩衣の男性が現在の公家の総括をしている近衛直親このえなおちか


 神主姿の男性が神宮言祝じんぐうことほぎで表の神事などを纏めているらしい。


 坊主姿の男性は寺社の総括で勧修寺永徳かんしゅうじえいとく

 

 袴姿の女性は武家と忍びの能力を用いた諜報部門の総括で御雷茜みかづちあかね

 

 日本での教会を総括しているシスターがアンジェラ・楯無たてなしで日本人らしい。


 フード付きのローブを纏っていた女性が、魔法使いや魔術師と錬金術師を纏める魔術結社の現代表であるイーデラ・ルーン。


 陰陽寮として陰陽師を総括している土門厳正どもんげんせい


 裏の神事全般に関わる比売神真ひめがみまこと

 

 この八人が各組織の長として活動しているらしい、まだ神社とか寺や教会はわかるけど公家やら武家がまだ存在するのには驚いた、小学校じゃ習ってないけど知識としてはとっくに無くなっているものだと思っていた。


 後は魔法使いとか錬金術とか言われても空想上の事だとばかり思ってたので聞いてもあまり実感はわかなかった。


 おばあちゃんにそれとなく聞いてみると「表には出ないけどね他にも裏には色々あるんだよ」との事だった、いやほんとこの世は不可思議で溢れてるんだな……。

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