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なかみが男でも百合は成立するのだろうか 連載版  作者: 三毛猫みゃー
5章 2年目、そして新入生

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第04話 桜と楓

「そう? 条件は怜さんと咲夜さんの髪の毛を少々」


 ん? なぜ俺と咲夜さんの髪の毛が条件になるんだ?


「えと、普通に嫌ですけど」


「少しだけ、先っちょだけでいいから、ほらこれ作るのに使った分だけ」


 咲夜さんに視線を向けると苦笑を受かべて1つ頷いてからマリナさんに視線を向ける。


「マリナさん、髪の毛は先の方を揃える感じで切ったものでも良いのですか?」


 マリナさんは咲夜さんの言葉に少し考える素振りを見せている。


「それでいい、その代わり神気を込めてほしい」


「わかりました、では次の休日に美容院へ行きますのでそこで確保してくださいね」


「咲夜さんに怜さん、ありがとう」


 おもむろに立ち上がり抱きついこうとしてきたので避けておいた、勢い余ってソファーに蹴躓いて転んでいる。


「あの、すいません、私は何をしたら良いのでしょうか? 私の髪の毛じゃ代わりにならないですよね」


 楓さんがサイドテールにしている髪を手に取りながら聞いてきた。マリナさんは立ちあがり服のホコリを払う様にはたきながら「ん~あなたにしてもらう事はないかな?」とのお答え。


「せやったら生徒会に入ってもらうちゅうのんはどうでっしゃろか」


「それはいい考えかもしれませんね、お二人次第ですがどうでしょうか」


 美玲会長の提案に結衣副会長が追随する感じで二人に聞いている、確かに選別が結構面倒くさくなってきているし、大体二人の事はわかって来ているので良いかもしれない。


「少し時間をいただけますか」


 そう言って桜さんと楓さんが少し離れて相談を始める、お茶を飲みながら待つ事数分結論が出たのようだ。


「その雫を使って私の目が治った時には生徒会に入らせて頂くという事でどうでしょうか」


「そうですね、まずは雫を使ってからの話ですね、マリナさんこれはどういうふうに使えば良いのでしょうか」


「目を治したいのなら目薬みたいに使えばいいと思う、試した事無いけど多分それでいい」


 俺の問に答えたマリナさんは杖を取り出して、小瓶に杖を向けて呪文を唱える。


「─────────────形質変化」


 呪文が終わると小瓶が変化して、目薬のような形に変化している。そして続けて呪文を唱える。


「─────────────解除」


 変形した元小瓶の目薬とマリナさんが楓さんに差し出す。


「これはあなたのもの、好きに使うと良い」


 そう言って座り直すと美味しそうにお茶を飲み始める。


「ありがとうございます! ほら楓、早速使ってみましょ」


 楓は目薬を手に持ち、俺たちを見回した後、一度頭を下げメガネを外そうとする。


「ちょっと待って、今メガネ外すと大変なことにならない、なんでかは知らないけどさっき私をみて気絶したでしょ」


 俺の忠告は遅きに失したようだ、メガネを外した拍子に俺を見てしまったのか再び変な声を出して白目を向いて気絶してしまった、今度は漏らしはしなかったようだけどなんだかすごくいたたまれない。


「はぁ、私の顔を見て気絶するとかこの子は何がしたいの……」


 そのまま寝かしておくわけにもいけないので桜さんと協力してソファーに寝かす。


「すみません、すみません」


 桜さんが俺に向かってペコペコ謝る。


「真咲さんもう良いから、それより理由とか聞いてませんか」


「あ、はい、一応聞いているのですが」


「気になるから教えてほしいかな」


 他の人も興味深そうにうなずいている。


「えとですね、姫神さんの(霊力)がすごく大きく、(結界が)すごく硬く逞しい上に神々しくて圧が強く目がくらんでしまうほどだったらしいです、それと情報量が多すぎて脳がシャットダウンした感じだと言ってました」


「そうか、怜ちゃんのがすごく大きくて硬くて神々しいって事だね」


「織ねぇ誰もそんなこと言ってないからね、変な事言わないでもらえます」


「そうだっけ? まあ良いじゃない、それよりさ気絶しているうちに目薬やっちゃおう」


 織ねぇはそう言うと、楓さんが握っている目薬を奪いまぶたを無理矢理空けて目薬をさした。いや、まって、誰か止めようよ


「織ねぇはほんと仕方がないですね、斉穏寺さんは私が見ていますので今日は一度解散でどうでしょうか?」


「そうどすなぁ、今日は解散して明日にでも、桜はんと楓はんに返事を貰いまひょか」


「結果を知りたいから私も残る」


「怜が残るなら私も残るわ」


「私も楓が目をさますのを待ちます」


 マリナさんに咲夜さんそれと桜さんが残り他の面々は解散して今日はお開きとなった。俺は一度全員分の湯呑を回収して洗い、残っている人の分にお茶を入れ直した、桜さんは手伝おうとしてくれたけどまだお客様なので遠慮してもらった。


 桜さんにはお茶を飲みながら色々話聞いた、主に二人の関係や幼少期の事、関西方面の事情など。二人の付き合いは4歳の頃に楓さんが道場に連れられて来た頃からで、最初は桜さんが一方的にライバル視していたが共に修練をするうちに親友の仲になったとか。


 腕前の方は桜さんがこの年にして免許皆伝となっていて楓さんの方は真咲流槍術は中伝らしいのだけど、楓さんに感してはそれ以外にも家元の寺社系の技に陰陽系の術、それに神道系の祈祷などもある程度使えるオールラウンダーと言うことだ。


 霊視過敏症の治療をするために、目以外へ霊力を分散させるために色々習ったようだけど、1つの分野を覚えるだけでも大変なのに、そこそことは言え他分野をこれだけ習得できるのはよほど努力したのだろうな。


 結局どの分野も術を行使している時はある程度抑えられるみたいだけど、治療という意味では効果がなかった。それどころか術を使い霊力が増すに連れ霊視過敏症が強化される結果となってしまったみたいだ。そんな訳で今は真咲流槍術以外は辞めてしまっている。


 途中養護教諭である保険の先生が訪ねてきて、楓さんの着替えさせた制服と下着を「洗って乾燥させたからね」と持ってきた上に担任にはこっちから言っておいたからねと言う会話を優しげに桜さんと話していた。


 とそんなイベントをこなしていると楓さんが目を覚ましたようだ。目薬が効いているのかどうかは俺を見たら一発でわかるのだろうね。

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