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なかみが男でも百合は成立するのだろうか 連載版  作者: 三毛猫みゃー
4章 年末年始と年度末は大忙し

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第03話 お姉さまとのデート

 金曜日から始まった秋休みも4日目の月曜日になった、いつも通り朝のランニングを咲夜さんと済ませる、普段は明海ちゃんも起こして一緒に走るのだけど今日はあえて起こさなかった。そして今日は秋休み中なのでショッピングモールが開くのは午前10時、平日は昼食時間に合わせる形で11時から開いている。なのでいつも学校へ行くよりかなり時間的余裕は有るので、いつもはシャワーで済ますけど今日は朝風呂でしっかり身だしなみを整える。


 朝のお風呂は温度が少し温めになっているようで気持ちいいけど、長風呂はせずに10分ほどゆっくり浸かって上がる。さっと着替えてとりあえず部屋へ戻って髪の手入れに肌のケア、いつもの化粧水に乳液に日焼け止めを塗る、そしていつもは使わないリップを……。そうこうしているうちに明海ちゃんが起きてきた。


「おはよう、今日もいい天気だよ」


「ふぅあぁ、怜ちゃんおはよう、デートは今日でしたか、楽しんできてください」


「明海ちゃんは今日どうするの?」


「ん~朝ごはん食べたら寝る?」


「なんで疑問形なのかはわからないけどほどほどにね、起きたのなら一緒に御飯行く?」


「行く少し待ってて」


 明海ちゃんが顔を洗っている間に制服に着替える、今日は日曜なので別に制服じゃなくてもいいのだけど持ち合わせが無かったりする、いわゆる服を買いに行くための服がないのだ。だって学院内で着る予定なんて無かったんだよ仕方ないじゃないか。


 顔を洗い終わり室内着に着替え終わった明海ちゃんと寮の食堂へ。普段休みの日はカレーとかを食べるのだけど今日はいつも通り控えめにしておく、お昼はどこかの店に入って食べるつもりなのだ。どんな店があるかわからないから現地で見繕わないといけないけど、聞いた話では結構美味しい店が揃っているらしい。


 時間まで部屋でソワソワして過ごす、勉強でもしようかと思ったけど全然頭に入ってこない、そういえば朱天の反応がないと思ったら依代の中に居なかった、いつの間に出ていったのやら。


 時間はまだ9時30分待ち合わせは10時にここの学生寮前、このまま部屋にいるのも落ち着かないので先に待っていることにした。明海ちゃんは宣言どおりに寝ているので声をかけずにそっと外に出る。寮の前に出ると既に咲夜さんが待っていた、えっまだ時間より25分ほど前なんだけど……。


「おはようございますお姉さま、お待たせしたみたいで……」


「おはよう怜、さっき来たばかりだから気にしないでいいのよ」


「お姉さま今日は一段とお似合いですね」


 咲夜さんの今日の服装はカーキー色の長袖カットソーに、紺色のフロントホックデニムロングワンピースと黒のブーツという、かっこかわいいと思える姿だった。


「怜は制服なのね」


「あーその、学院で着ることを想定していなかったので、持ち合わせがなかったのですよ」


「そうなのね、なら最初に怜の服を見に行きましょうか」


「わかりました、時間はまだ少し早いみたいですけど向かっていればちょうどいいかも知れませんね」


 ちなみに寮から斜め東方向にショッピングモールがあり、西斜め方向に商店街が有る、舗装された道が寮とショッピングモールや商店街と学校を囲むように円状に敷かれているので、道にそっていけば迷うこともなく目的地に付くことはできる。


 絵として想像するなら島津の家紋の丸に十字を想像してもらえるとわかりやすい、上方向に校舎、下が学生寮で右がショッピングモール、左が商店街と言えばわかりやすいかもしれない。ちなみに朝のランニングはこの円状の道をみんなそれぞれの方向に走っている。俺も使っている一人だし、気分とか朝の風向きによって走る方向を決めたりしている。


「さっそく行きましょお姉さま」


 咲夜さんに手を差し出す。


「ええ行きましょうか」


 その手を咲夜さんがそっと握る。俺と咲夜さんはいつも通り手をつなぎ並んで歩く。並んで歩くと本当の姉妹に見えるとよく言われる、俺自身も本当の姉である望姉さんよりも、ずっと姉妹らしいと思っている。みんなが思うようなそれ以上の事は今は考えていないし咲夜さんもそうだと思っている。これが今の俺と咲夜さんの距離。


 最近は俺たちのように手を繋いだり腕を組んだりする人が増えた、俺と咲夜さんのあのやり取りのせいなんだと思うけど思い出すだけで顔が熱くなる。特に話すことがないので無言で歩いていると開店前のショッピングモールに着いた。


 このショッピングモールは二階建てになっていて、一階部分は複数の飲食店と自炊する人用の生鮮食品やパンなどが売っている、他にはスイーツ専門店などもある。そして二階は文房具や小物売り場に本屋があったり、時計や下着専門店に衣料品と化粧品などの複数のブティックが並んでいる。他にはドライヤーやスマホなど家電品なんかも売ってるけど流石に大型家電なんかはおいていないけどね。その他にも美容院なんかも複数店入っているので結構広い。


 しばらく待つと開店し始めたので、俺と咲夜さんは予定通り俺の服を見るために二階の衣料品が集まるエリアを中心にアパレルショップやブランドショップを回ったりした。途中で今買っても学院内で着ることって結局無いよねと気付き、最終的には外着ではなく室内着お互いに買い合ってプレゼントした。そろそろ寒くなるからね、もこもこの暖かそうな寝間着を選んだ。


 その後はお昼は過ぎていたので軽く済まそうという事になり、喫茶店でサンドイッチセットを注文した。一口サイズにカットされていて爪楊枝が一個ずつ刺さっている、直接パン生地を触らないで食べれるのでなんかおしゃれだった。具材の組み合わせも豊富で味もすごく美味しかった。


 食事を終えてデザートを堪能しながらこの後どうしようかという話になり、小物でもみて帰りましょうという流れになり、一通り店を回ってのんびり戻ることになった。帰る前に明海ちゃんにお土産としてドーナツを買った、別に明海ちゃんの好物というわけじゃないけどね目に入ったのがドーナツだったという理由です。


 こうして俺と咲夜さんの初デートは終わった、初デートとしてはこんな物ではないだろうか? どうなのかな、まあ俺は一日一緒にいれて満足です。



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