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なかみが男でも百合は成立するのだろうか 連載版  作者: 三毛猫みゃー
4章 年末年始と年度末は大忙し

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第01話 学院よ私は帰ってきた(ボッチ)

 俺は今一人寂しくテスト勉強をしている。前期の期末テストが夏休み明けてすぐなので、6月に行われた前期中間テスト以降の内容が今回の期末テストには入ってくる。


 さてなぜ一人寂しくかというと、今現在学院は俺しか生徒が居ないからだ。

 本家で一晩過ごした俺は早々に用済みと放り出され、一晩実家で過ごしそのまま学院に送られてきたと言う流れだ。実家では久しぶりに望姉さんとお風呂に入ったりした事以外特に何があったわけでもないので割愛しておこう。


 望姉さんは姉さんで色々と右へ左へ忙しくしているようで、久しぶりに姉妹水入らずで過ごすことになったのはお互い良かったとは思う。その時に教えてもらったことだけど、俺たちが関わった鬼ヶ島以外でも封印が解かれたりと東も西も各所でアヤカシが暴れる事件があったようだ。

 

 学生は学生らしく勉学に励むようにと今の所はよっぽどの人手不足にならない限り、今回のように俺たち学生が関わることは無いみたいだ。まあそれはいつまで続くかわからないから学生生活楽しめるうちに楽しみなさいとのお言葉を頂いた。

 出来ることなら楽しみたかったさ、俺の夏休みを返してほしいとぐちっても仕方がないので、早々に学院へ戻ってきたわけだけどまあ案の定誰も居ない学生寮での生活を送ることになった。


 一人のために食事やお風呂を沸かすのもという事になったので、既に学院に戻ってきていたり居残りしていた教員に混ざって、食事やお風呂は教員宿舎で済ますことになった。余り接点のなかった教職員とも少しは仲良く慣れたのかもしれない。勉強で詰まっている所などを個別指導してもらったりと良いこともあったので良しとしよう。

 あとは沙織さんに朱天を紹介して学院内で自由に過ごしても良い許可を貰った、ただし鬼の姿のままではなく人の姿に变化した状態ならと制限がついたけど。朱天のこともついでということで教職員にも紹介を済ました。


 そんなわけで、朱天の变化した姿は身長2mは変わらずでっかい、ツノが無くなりキリッとした顔立ちもそのまま、朱い髪も変わらず後ろで一本に結わえている。服装は適当に教師のマネをしたのかジャケットにパンツスタイルでメガネをかければ本物の女教師に見えなくもない。


 俺が寂しく一人勉強をしている時などは、ふらっと出ていき海の方で釣りをしていたり、沙織さんと将棋を指したりして遊んでいるようだ、楽しそうで何よりであるこんちくしょうめ。


 そんな感じで3日が経ち生徒会一同がやっと学院に帰ってきたのは夏休み終了まで7日前だった。翌日には他の生徒も学年別に順番で帰ってくる事になっている。

 そして俺は日に焼け少ない夏休みを十分に満喫したであろう面々に怨嗟の視線を向けたのは言うまでもないだろう。


「ねえ、明海ちゃん、織ねぇ、それにお姉さま、どうしてそんなに日に焼けているのですか? 私は一人学院で勉強している間何をしたらそんなに日に焼けるのでしょうね」


「いやー怜ちゃんも残れたら良かったのにね、スイカ割り大会をやったり夜はバーベキューに花火でしょ、うんうんすごく楽しかったよ」


 などと散々煽るだけ煽って逃げていく織ねぇめ本気で殴りたい。


「怜ちゃん、ほら花火持ってきたから後で母さんにお願いしてやらせてもらお」


 手に落つのは一袋500円くらいの花火セットだった。


「ほら良い子だからそんな泣きそうな顔しないで、これお土産ね買う時間すらなかったでしょ」


 咲夜さんから渡されたのは、雷おこしだった……ちょっとあそこの特産でもない上にそのチョイスはどうかと思うのですけど、まあ貰えるものは貰っておくけど。


「もう良いですよ、お姉さまも明海ちゃんもお帰りなさい」


「うんただいま」


「はいただいま、怜には寂しい思いさせたわね、私も付いていければよかったのだけど止められていたのよ」


「ええわかってますからもう済んだことです、ですけどお姉さまはもう少し髪のケアちゃんとしたほうが良いですよ、心なしかぱさついているように見えますから」


「えっそう? ちゃんとしていたつもりなのに」


「今日の晩はご飯もお風呂も教員宿舎でとることになってますから、お姉さまの髪のケアは私がします、覚悟しておいてくださいよ」


「お手柔らかにお願いするわね」


 とりあえずそれぞれ荷物をおいて、1時間後に生徒会室に集合という事だったので一旦咲夜さんとは別れ、俺は明海ちゃんの荷物を半分受け取り部屋へ移動した。部屋でさっそく明海ちゃんの洗い物を洗濯乾燥機に放り込んでなんやかんやしていると時間はあっという間にすぎ生徒会室へ向かう。


 生徒会室では明日以降の予定が話し合われ、明日の朝に一度学院内の見回りなどをする事になった。一応俺たちが居ない間は教職員などが見回りはしてくれていたようだけど、俺たちもやるというのがお決まりとなっているので実施する事になった。


 夜になりご飯が済んだ時点で、夏休みの楽しい思い出の1つもない俺のためにみんなが花火を持ち寄り、花火大会を開いてくれた。織ねぇがこっそりでかい打ち上げ花火を飛ばして沙織さんにこっぴどく怒られてたのが一番楽しかったかもしれない。


 花火が終わればお風呂なんだけど、咲夜さんの髪のお手入れを頑張らせてもらった、海と潮風を受けた後にあまりうまくケアできていなかったようで、毛先を少し揃える感じでカットしたりけっこう大変だったがやりきってやった。


 明日からまた学生が帰ってくる、およそ一ヶ月後には前期の期末テストが始まる、そして人が増えれば黒いモヤが出始めるのだろう。俺たちに取ってはまた忙しい日々の始まりだ。

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