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なかみが男でも百合は成立するのだろうか 連載版  作者: 三毛猫みゃー
3章 夏の修練と鬼ヶ島での戦い

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第02話 かわいいは正義だと思います

 俺は人生最大の危機を迎えている、そして俺は抗っているそれが無駄な抵抗だと分かっていても、俺自身の尊厳を守るために……。

 

「いーやーだー誰か助けてーーー」


「ほら行くわよ怜ちゃん」


「そうよ怜、人間諦めが肝心よ」


 俺は両脇を織ねぇと望姉さんに掴まれながら引きずられていく。


「二人共絶対変なの選ぶだろ、際どいのとかやばいのとか」


「「何言ってるのそんな事するわけないじゃないの失礼ね」」


「これでも俺……私中学生だからね、変な水着とか着たら色々アウトだからね」


 俺がそう主張した所俺が中学生だという事に気付いたのか顔をそらしながら「「チッ」」と舌打ちされた、どう考えてもやる気満々だったじゃねーか、もうやだこの二人。俺は助けを求めるように咲夜さんへ手を伸ばす。 


「えっと、あの私も持っていないので、できれば怜とお揃いのが欲しい……かな」


 頬を染めながら指をもじつかせる咲夜さんを見て俺は抵抗を止めた。何このかわいい生き物は、咲夜さんなんかいつもとキャラ違いませんか?それにそんな事言われたら拒否れ無いです。かわいいは正義だとすると抵抗する俺はきっと悪なのだろう。俺が抵抗を止めたのを察したのか両腕が開放される。


「はぁ怜あなた色々末期じゃない?」


 そう耳元で望姉さんが囁く、分かってるよそんなの言われなくても。


「望さん取り敢えずお店入りましょう、怜ちゃんも諦めたようだし」


「そうね、明海ちゃんも咲夜ちゃんも行くわよ」


 望姉さんと織ねぇにいざなわれるように入ったお店は、俺が思っていた様な場所ではなかった、まあ端的にどこかというと水着売り場なのだけどランジェリーショップのように明るい色の物は思ったより少なく感じられた。これなら抵抗する必要なかったななんて事を思いながら店内を見て回ることにした。


 水着売り場は俺がイメージしたランジェリーショップの様な際どい物もなく、普通の服のような物が並んでいて本当に水着売り場なのかなとも思えた。俺と咲夜さんと明海ちゃんは、望姉さんと織ねぇから離れて、ワンピースタイプの水着コーナーで色々見て回った。見て見ると可愛いデザインやコスプレみたいな物があったり意外と面白かった。


 続いてビキニタイプのコーナーへ回ってみたけど、下着と違い人前でも抵抗なく着れそうな感じではある。あと胸元を隠すようなひらひらがついてたり、下もスカートのような物がセットで売っているのでおしゃれな感じのが多い。


 途中際どいというか危ないと言って良いような水着を執拗に薦めてくる望姉さんを回避しつつ、結局俺と咲夜さんはビキニタイプに花がらのフリルトップスとスカート付きのショートパンツがセットになった物の色の違うのを買った、メインカラーは俺が白で咲夜さんが青となった。ついでに明海ちゃんはワンピースタイプのを買っていた。


 念のために3人共追加でパーカータイプのラッシュガードも同時購入しておいた。買い物を済ませ望ねえさんと織ねぇを待っていると、織ねぇが水着を披露しに来た。


「どう?似合ってるでしょこれ」


 うん、まあ似合いすぎているというか何というか、すごく似合ってますよそのスクール水着……。まあこんな感じで水着の購入は終わった、結局望姉さんがどんな水着を買ったのかわからなかった、流石に織ねぇもスク水はやめてワンピースタイプのを買っていたけど。


 そもそもなんで水着を買いに来ているかというと、ミカ会長からのお誘いの時に水着持参と言われてしまったからだったりする。それで咲夜さんとデートついでに水着を買いに来たのだが、気付けば織ねぇと望姉さんに捕まっていた、明海ちゃんともどもこっそり後をつけてきていたようだ。


 もうメインの買い物が済んでしまって、ぐだぐだになってしまったので帰ることになった。せっかく練りに練った咲夜さんとのデートが台無しにされたこのうらみはらさでおくべきか……。


「怜そんな泣きそうな顔しないで、デートならまたいつでも出来るからね、それより怜とおそろいの水着が買えて私嬉しいのよ、怜は嬉しくない?」


「そんな事ないです、私もお姉さまとお揃いの水着が買えて嬉しいです」


 そう言って手を取り見つめ合う。パンパンと手をたたく音が聞こえ名残惜しいが手を離す。


「はいはい、仲がいいのは分ってるからほら帰るわよ」


 少し呆れの混じった声で織ねぇに促されこの後は特にイベントもなく本家へと帰り着いた。帰宅後はお風呂を済まし夕食を食べ明日は早いということで解散となった。さてそれでは少しおさらいをしておこうと思う。


 今回の御雷家からの依頼なのだけど内容は封印の強化もしくは封印が破られている可能性があるので、その場合は封印から蘇ったモノの討伐の補助と言うことだった。封印の強化は今回は望姉さんが担当する、俺や咲夜さんは封印関係の技は適正がないと言われてしまったので今回は望姉さんの手伝いで行くことになった。


 それと討伐になった場合の人員として、織ねぇが参加となった所でミカ会長からついでだから生徒会役員集めて夏季休暇の最後を一緒に楽しもう、と言う流れになった結果水着持参という感じになってしまったわけだ。


 あと俺たち学院組はミカ会長の所から直接学院に戻ると言う話になっている、なぜかというと生徒会役員は夏季休暇が終わる一週間前に学院へ戻らないといけないんだってさ、そんなわけで既に荷物の大半は学院へ送り終わっている。


 そして翌日の朝、御雷家から迎えが来て、俺、咲夜さん、明海ちゃん、織ねぇ、望姉さんというメンツで御雷家から言われた集合場所へ向かうのであった。

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