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第05話 ルーティン

 一度生徒会室に戻り解散する流れになった。


「咲耶くん、明海くん、怜くん、君達には一度考えて貰いたい、本音としては辞めてほしくないが今ならまだ拒否してくても良い、今日は解散して急かすようで悪いが明日の放課後までに答えを出してほしい」


 そうミカ会長が締めくくり解散となった。

 俺はどうするべきだろうか、神気を扱える様にはなったが特にこれが攻撃する手段になるかというとそうでもない。

 多少祓ったり結界を張ったりはできるがそれだけだったりする、優秀と言われても何が?という感じなんだよね。


 俺の中にある鉾に関してだけど、あれは武器ではなく祭具なので攻撃という意味では役に立たなかったりする、攻撃目的で使ったことはないけどわかるんだよ。

 学生寮に向かいながら、咲耶さんと明海ちゃんにどうするか聞いてみた。


「姉さんを放っては置けないのでこのまま生徒会に残ろうと思います」


「私は、私に何が出来るかわかりませんが、私も生徒会に残ろうと思います」


 2人共生徒会に残るようだ、ここで俺だけ拒否するのも何だかなと流されるようであれだけど、俺も残る事に決めた。


「そうと決まれば明日の放課後まで待つ必要は無いですね、まだミカ会長は生徒会室にいるみたいですし残ることを報告しましょうか」


 生徒会室についている灯りを見ながら俺はそう言っていた。


「そうですねそれが良いですね、私が一人で行ってきましょうか?」


 咲夜さんのその申し出を断り三人で生徒会室へ向かい、残っていたミカ先輩に俺たちは残る事にしたと報告した。

 ミカ先輩はホッとしたような感じで「助かるよ、改めてよろしく頼む」と軽く頭を下げてきた。


 その後はもう夕食の時間になっている気づいて4人で学生寮に戻り寮近くで別の寮だというミカ会長と咲夜さんと分かれた。

 俺は明海ちゃんと着替えもせずそのまま寮の食堂で晩ごはんを済ませた。


 学生寮の夕食の食事時間だけど、18時から20時になっているそれを過ぎるとちゃんとした食事は出ないが、夜食としておにぎりとお吸い物は出してもらえるようだ。


 晩ごはんを済ませた俺と明海ちゃんは一度部屋に戻り着替えを持ってお風呂に行く事に。ここのお風呂はかなり大きいくて寮生の半分の40人くらいは入れるのではないだろうか。

 流石に洗い場は40人分無いので、一度に全員入る事は出来ないけれど。


 お風呂の時間は夜は17時から23時になっていて、入る順番は特に決められていない、それでも自然と混んでいる時間帯を避ける内にいい感じでバラけるようになっていったとか。


 お風呂はいつも、なるべく周りを見ないように手早く済ませるようにしている。

 どんなに急いでも明海ちゃんより髪を洗う分遅くなってしまう、でも手入れを怠るわけにはいかないのでどうしても時間がかかってしまう。

 まだ洗い場にいる時は自分の事に集中できるから良いけど、湯船に浸かっていると色々見えてしまうので目のやり場に困る。


 お風呂上がりは素早く水分を拭き取り化粧水と乳液をつける。

 脱衣所は混みやすいので、髪はタオルを巻いておいて自室に戻りドライヤーで乾かすようにしている。

 俺が化粧水とかを使っているのが珍しいのか、チラチラ見てくる人もいるけど結構バタバタしているので話しかけられた事はない、聞いてくれれば答えるのはやぶさかでもないのだけど。


 急ぎ部屋に戻ってから髪をドライヤーで乾かす、少し距離を放して温風で髪の根元をまず乾かす、ある程度乾いたら冷風に切り替えて頭頂部から下に流すように風を充てて髪が完全に乾いてからブラッシングをして完成だ。


 よし髪を乾かし終わった、手ですくってみる今日もさらさらだ。

 時計を見るともうすぐ22時になりそうだ、夜は時間が経つのが早いな。

 ここから軽くストレッチを5分ほどして体をほぐす。

 この後は1時間ほど使って勉強をしておく。


「怜ちゃんどうぞ」


 明海ちゃんが暖かいお茶を入れてくれた。


「ありがとう明海ちゃんいただきます、明日朝はどうする?一緒する?」


「う、あーお願いします」


「うん了解、私は少しお勉強して寝るから明海ちゃんはもう寝るよね電気どうしようか」


「先に寝ます電気はそのままで良いですよ、お休みなさい」


「はーい、おやすみ」


 あくびをしながら明海ちゃんは布団に潜り込んだ。

 俺は1時間ほど勉強をした後に、明日の授業の準備を済ます。

 お茶碗を洗いお手洗いを済ませた後、ナイトキャップを被り電気を消してから布団に潜り込む。

 目覚まし時計を5時にセット、おやすみなさい。



 目が覚めた、時計を確認する4時55分目覚ましが鳴る5分前に目が覚めた。

 軽く伸びをしてから目覚ましをオフに、明海ちゃんを揺すって起こそうとしたが起きそうにない。

 仕方がないなーと、明海ちゃんの耳に息をふぅーと吹きかけると「うひはぉ」と言いながら起き上がってきた、うん今日も完璧だ。


「怜ちゃん、それやめて」


「なら普通に起きてくださいね」


「うぅ、がんばる」


 手早くジャージに着替え髪をじゃまにならないようにヘアゴムを使い後ろで束ねる。

 ぬるま湯で顔を洗ったあと、日焼け止めクリームを塗る。


「ほらほら明海ちゃん置いていくよ」


「まってください、すぐ行きます」


 明海ちゃんの準備が終わるのを待って一緒に寮の玄関へ向かう。

 すれ違う人と挨拶を交わしながら移動する。

 

 玄関に着くと俺たちと同じようにジャージを着た人が何人かいたので「おはようございます」と挨拶を交わす。

 まずは軽くストレッチをしながら、周りの人と会話を楽しむ。

 体もほぐれたところで、腕時計のタイマーを30分にセット。


「明海ちゃんそろそろ行くよー、それでは行ってきますね」


「いってらっしゃい気をつけてね」


 見送られながらランニング開始、片道30分の往復1時間が毎日の日課だ。

 すれ違う人達と挨拶を交わしながら、寮を囲むように作られたランニングコースを明海ちゃんのペースに合わせて走る。

 もう日も上がっているので数分走るだけで汗が出てくる。

 20分ほど走った所で明海ちゃんは限界を迎えたみたいだ。


「ごめんなさい、少し休みながら先に戻ります」


「気にしなくていいよ、少しずつ距離も時間も伸びてるから、戻ったらちゃんとストレッチしてね」


「はい、怜ちゃんも気をつけて」


 明海ちゃんと別れ走るペースを上げる、時計の音とともにUターン。

 寮前に戻ると明海ちゃんは部屋に戻ったのか見当たらなかった、寮前で体操やストレッチをしている人達に挨拶をしつつ5分ほどストレッチをして部屋に戻る。


 明海ちゃんは先にシャワーを済ませたようで制服に着替えている、俺も急いでシャワーで汗を流し制服に着替える。

 髪を乾かした後は続けてスキンケア化粧水から始まり美容液と乳液を塗り最後に日焼け止めクリームを使う、うん今日もバッチリだ。


 部屋に備え付けてある洗濯乾燥機に、そうなのだ望姉さんが学院にいた時にはなかった洗濯乾燥機が部屋にあるのだ、それまでは共同の物を使うか洗い場に出してお願いするしかなかったようだけど各部屋に備え付けられる事により自分で洗濯できる様になったのだ。


 そんなわけで俺と明海ちゃんの洗い物と洗濯ネットに入れた下着やパジャマなどを昨晩の分も合わせて入れて動かしておく。

 時計を確認するともうすぐ7時だ、朝食の時間は7時から8時で朝礼が8時半からなのでまだ時間に余裕がありそう。


「明海ちゃん髪乾かすのもう少しかかりそうなので、先にご飯食べてて良いですよ」


「授業の準備をしながら待ちますので大丈夫です」


 7分ほどかけて髪を乾かし終わったので、明海ちゃんと1階の食堂へ向かう。

 席は半分ほど空いており大半の人は食事を終えているようだ。


 そしてこの学院の寮の朝食はなんとビュッフェになっているのだ。

 と言ってもそこまで種類があるわけでもないのだけど、朝カレーも完備しているとか俺にとっては嬉しい限りである。


 まあ平日の朝はそんなに食べないから大体パンとサラダとスープにカットされた果物と牛乳で済ますのだけど、べ、別にダイエットとかしているわけじゃないから、この体になってから若干食が細くなっているんだよね。


 食事を終えると一度部屋に戻り歯磨きを済ませて、忘れ物がないか確認してから明海ちゃんと一緒に校舎へ向かう。


 これがここ一週間近く俺がしているルーティンになる、結構時間がキツキツだったりするのだけど、これに生徒会の活動とか大丈夫なのだろうかと少し不安だ。

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