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なかみが男でも百合は成立するのだろうか 連載版  作者: 三毛猫みゃー
1章 TSしたけど女の子って大変だ
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閑話 姫上望

 朝ダイニングに来た弟を見た時大いに驚いた。

 決して弟が妹になっていたからではない、その事はその事で驚いたけどその事に関してはさほどでもなかった、驚いた理由はその身から漏れ出る神気の濃度にだった。


 まだ位階を一段階上がっただけなのに、既に今の私と変わらないくらいの神気濃度、とっさに私は体に神気を纏い結界を張っていた。一方母さんは自分と父さんを守るように神気で結界を張っているのが分かった。


 怜には今自分がどうなっているのか確認して貰うために洗面所へ追い出した。ご飯を食べながら母さんとこの後どうするか相談をしていると怜が戻ってきた。


「何これ、俺どうなったの?なんで皆普通に食事してるの、鏡の中に美少女がいるんだけど!それにあれもないし、胸ぺったんこだし、わけがわからないよ……」


 いやー見事な混乱具合に笑いそうになったけど堪えた、うん怜のその気持わかるよ私も通った道だし、まあ私の場合は事前に教えられていたので今の怜ほどではなかったけど。


 取り敢えず落ち着かせる様に頭をポンポンと軽く2回叩き怜の神気を閉じ込めるように結界を張る。


 男から女に成る事により消費したカロリーを補給させるためにご飯を食べるように促す、『ぐぅー』お腹がなる音が聞こえた、気が張ってて本人は気付いてなかったみたいだけど体は正直なんだよ。


 怜がご飯を食べている間に母さんと父さんと相談して本家に連絡をして向かうという事になった。その後はご飯を食べ終わった怜に色々と説明してあげた、男に戻れないと言っても特に驚いた感じでは無かったけど、私と母さんが元々男だったという話の方がショックだったみたい。


 少しからかったりしている内に迎えが来たようで本家へ移動する。この後は私の時と同じ流れでおばあちゃんとの話が途切れた所でもじもじしている怜が目に入った、たぶんトイレに行きたいのだろうちゃんとトイレ出来るのか心配で声をかけたけど一人でいってしまった。

 

 戻ってきた怜を見るになにか失敗したのだろう、うん失敗を得て人は成長するのだよと心の中だけで言っておく事にする。後の話は私も一度聞いた話なので聞き流しつつ少し考え事をしていたら女学院の話になっていた。怜には頑張れとエールを送ったけど通じただろうか、一瞬トラウマを刺激されて記憶が飛んでいる気がしたけど大丈夫かな。


 話が終わり宴までにお風呂に入ることになったので、男湯に入ろうとしている怜を引っ張り女湯に連れ込んだ、何を考えてるのよほんと。お風呂の洗い場で髪の洗い方や体の洗い方ボディーケアの仕方とか色々教えて見たけど、1度じゃ覚えれないみたいなので入学までにきっちり伝授してあげようと思う。


 これは私が考える計画に必要な事だし怜にはなんとか頑張ってマスターしてもらわないとね。髪をお湯につけないようにタオルで巻いて怜と並ぶように湯船に浸かる。改めて見ても怜は可愛くなった、少しふっくらと膨らんだ頬をついついつついてしまいそうになる。体はまだ残念体型だけど、神気が落ち着いたら一気に成長するだろうから今のうちに写真に納めておかないとね。


 というわけでお風呂に上がり着飾った怜の可愛い写真をこれでもかと言うほど撮りました、そのうち引き伸ばして額縁に入れて部屋に飾ろうと思う。


 宴で怜が叔母達と話している間に、詩織ちゃんと明海ちゃんを呼んで相談。私の計画を話すとずいぶん乗り気で協力してくれると言ってくれた、何というか少し不安ではあるが学院内ではこの二人に頼るしか無い、明海ちゃんには頑張って詩織ちゃんのストッパーとして頑張って欲しい。


 詩織ちゃんが怜を見て馬鹿笑いしているけど、それが良かったのか怜の雰囲気が少し和らいだ気がする、怜にはこういう明け透けに接してくれる人がいるのは良い事なのかもしれないなと思った。


 そして怜は夢見の妙薬を飲み干し眠りに入った。怜を抱き上げたおじいちゃんに付いて客間に移動する、布団の上に怜を下ろすとおじいちゃんは戻っていった。待っていた使用人の方たちと一緒に着物を脱がせてパジャマに着替えさせた。さて何日で目覚めるかな、私の時は2日だったみたいだけど3,4日は目覚めないかもしれない、そっと怜の頭を撫でて私は今後のことを考えていた。


 その考えとは「怜ちゃん女神化計画」というもの。決して冗談でも悪ふざけでもない、これは私の可愛い弟で今は妹の怜を死なさせないために必要な事。


 怜は優しい子だから、きっと心を寄せる相手に何かあれば自分の身を犠牲にしてでも助けようとする、その時にする事と言えば1つしか無い。怜が通う事になる神樹女学院は、そう言う縁を作りやすい場所だし指輪の交換という土台もあるだからこそ怜の魂を守るのに必要な事。


 私達比売神の一族はかんなぎの一族である、では巫とは何かというと神降ろしの依代の事。只人の身に神を降ろすと言うことはどういう事か簡単に想像できるだろう、魂が砕けるか最悪消滅してしまう。ではそれを避けるにはどうすればいいか、それは神の神威にも負けない魂に至ること、そう神への位階を上げていけばいつしか神降ろしをしても耐えられる魂になると私は考えた。


 そこで出てきたのが「怜ちゃん女神化計画」だったりする。はっきり言って今の怜の神気濃度は異常だと思う、夢見の妙薬を飲み神と会えばもう1階位上がり、もし神器でも授かればもう1階位上がると思う。今の私がこれの1つか2つ上の階位にいるわけだけど、その私と今の段階で同じくらいの神気濃度を持っている、そう聞けばどうすごいのかわかると思う。


 それと私の神気濃度だとここまでが限界、これ以上位階を上げることは出来ないだろうというのはなんとなく感じている、たぶんだけど5階位が人間としての限界なんだと思う、それ以上になると半神の領域になるのではないのかなと感じている。そこまで到れれば魂が損傷する事もなく神降ろしを行えるはず、怜にはぜひそこまで頑張って位階を上げてほしいと思う。


 手段は私がなんとかする、その一つとして怜には美容関係を教え込むつもりだ、きっと学院で信仰を集める一助となるだろう。


 怜の寝顔を見ながら私は決意を新たにするのだった。

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