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なかみが男でも百合は成立するのだろうか 連載版  作者: 三毛猫みゃー
8章 始まりは平穏に、不穏な冬を超え、戻る平穏
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第10話 望姉さんの帰還

 望姉さん達が結界を抜けてでていってから三日経った、今のところ外からの連絡は無いようだ。結界の方はたまに負荷がかかるくらいで特に変化はない。咲夜さんが部屋にずっと引きこもっている俺の代わりに情報収集や食事を持ってきたりしてくれているのには少し申し訳なく思える。


「何か進展などありましたか?」


「特には何も無さそうよ、それよりも怜は大丈夫?」


「結界なら大丈夫ですよ、この感じだとまだ3,4日は維持できると思います」


 今のところ結界に対する攻撃らしい攻撃もないので問題なく結界を維持てきている。結界を維持しながら睡眠も出来ているのは修練の成果だと思っている。この待機中の間に元会長の御雷先輩が会いに来たりした。


 それ以外にも俺、というよりも比売神家と友誼を結びたいと思っている人たちが訪ねてきたりしたけど、そういう人たちは結界の維持に集中したいのでと言って断ってもらった。


 正直俺としてはやることがなくてすごく暇だったりする、電波が届かないのでテレビも映らないらしいし、何か読み物があれば良いのだけど本すら無いので暇で仕方がない。


「はぁ、それにしても暇ですね」


「そうだねー、ボクも暇すぎて溶けそうだよ、こんな事なら姉さんに付いていけばよかった」


 この三日間、椿姫には最近の活動をいろいろと教えてもらって暇をつぶしていたのだけど、流石に話題も尽きてしまったみたいだ。


「お主ら少し行儀が悪いのではないかの」


 なんて朱天に言われているけど、ずっときっちりしているのは疲れるんだよ。


「あっ!」


 今結構な数の人が結界をくぐり抜けてきたのを感じた。


「帰ってきたかも知れない、咲夜さん下に降りてみよう」


「分かったわ」


 急いで服装を整えて部屋を飛び出し一階に降りる、一階で警戒していた人たちがそんな俺の行動を察したのか入り口に集まりだす。暫く待っていると猛吹雪の中10人くらいの人がホテルに入ってきた。


「望姉さんお帰り」


「怜お待たせ、ふぅ中は暖かいわね」


 俺は望姉さんを迎えて、集まっていた人足しは望姉さんと一緒に来た人に外の様子とこの後どうするかの話し合いを始めている。


「それで望姉さん、外はどんな感じだった?」


「外は多分異界になっているようだったわ」


「異界? それってアヤカシが作る領域みたいなのもの?」


「ええ、似たような物で、異界は領域よりも強固で範囲が広いものと思えばいいわ」


 そうなんだ、つまりここってその異界に閉じ込められているってことなのかな?


「とりあえず丸一日かけて異界から外に出て、助っ人を連れてきたということよ」


 ふと見れば望姉さんの着ていた巫女服は雪で濡れてしまっている。


「ごめん望姉さん、とりあえずシャワーかお風呂に入って着替えたほうが良いよね」


「そうねそうさせてもらうわ」


 望姉さんは集まっている人たちの方に行って、一緒に来た人たちを一旦休んでもらってから話を聞いたほうが良いと訴えて一度解散してもらうことにしたみたいだ。


 集まっていた人たちも雪でびしょびしょな事に気がついたみたいで一度休憩してから再度みんなを集めて話を聞くことにしたみたいで一度解散する事になった。


 俺たちは望姉さんと連れ立って浸かっている部屋に戻り、望姉さんにはゆっくりお風呂に入ってもらった。望姉さんがお風呂に入っている間に、食事を用意してもらったので、食事をしながら話を聞く。


「この周辺が異界になっていたというのはさっき言ったよね」


「うん、その異界がこの吹雪の原因ってことだよね」


「そうね、ちなみに異界の外は雪は降っていたけど、ここほどじゃなかったわよ、普通に一般の人達は生活をしていたからね。それと外と異界の時間の進みが違うようでね外ではまだ一日も経っていなかったわ」


「そうなんだ、それじゃあ外からここってどんな感じに見えてるの?」


「それこそがここが異界になっていると言うことなのよ」


「よくわからないのだけど」


「そうね言うなればここは現実とズレた空間という事よ、だから外では普通にホテルはちゃんと営業されているし、私達が消えていても違和感を感じなくされているみたいなのよね」


「そうなんだ、でも出入りできるんだよね」


「出来ることは出来るけど、今いる人数は難しいわね、いちばん簡単なのはこの異界を作っているものを倒すことだと思うわ」


「それでこの異界を作っているのが何かはわかってるの? やっぱり冬将軍ってやつなのかな」


「違うわ、冬将軍じゃないのよねこれが、それに冬将軍は東北に向かった人たちがなんとか解決したみたいだったわ」


「えっ、そうなんだ、じゃあ結局この異界って何者が作ったの?」


「ここに一緒に戻ってきた助っ人の人が言うには、怜達が夏に遭遇した黒翼と、白皇鬼はくおうきが関わっているみたいね」


「白皇鬼ってなに?」


「ほう、また懐かしき名を聞くのう」


 俺の疑問に答えたのは話を黙って効いていた朱天だった。


「白皇鬼とはの、鬼とついておるが元々は人間だったものだの、戦で負け北へ逃れた後に追い詰められた者共がアヤカシをくらい鬼となった、その者共の総称を白皇鬼と呼んでおる」


 個人ではなく集団の呼び名ってことになるのかな?

 

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