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なかみが男でも百合は成立するのだろうか 連載版  作者: 三毛猫みゃー
8章 始まりは平穏に、不穏な冬を超え、戻る平穏
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第02話 生徒会と穏やかな日々

 くだんの5人を生徒会室に呼び出して、生徒会について聞いてみる事になった、一度に全員ではなく一人一人なのだけど。


 一人目は双子の一人で姉の平宮鈴ちゃん。無口な事にはちゃんと理由があるのだけど今は良いだろう。早速生徒会に来てもらい生徒会に入る気があるのか聞いた。


「……(ふるふる)」


「……(こくこく)」


 以上!

 生徒会には入らないとの事だ、ちなみに両手を使ってあたふたと意思疎通を図る姿は可愛いものがある。


 二人目は双子のもう一人で妹の平宮篠ちゃん。見た目がそっくりだけどこちらの方は普通に会話が可能だ。普通に会話が可能という言い方もどうかと思うけど。


「お断りしようと思います、こうなんと言いますか、身内率がすごく高い気がしますし、特に権力なども無いとはいえ良くはないですよね?」


 俺に咲夜さん、明海ちゃんに織ねぇと言われなくても身内率高いんだよね、特に織ねぇと明海ちゃんは母親が学院長なわけだし、特に何か有利になる事はないとは言えあまりよろしくない気もする、気にし過ぎだと思うけどね。


「生徒会には所属しませんが姉共々協力は惜しみませんので皆様よろしくお願いいたします」


 生徒会には所属しないけど、力は貸してもらえるという事にはなった、まあ学院内ではそういう機会はないだろうけどね。


 次に声をかけたのは元会長であり、既に卒業されている御雷瞳さんの親戚だという雷門桐華らいもんきりかさんだ。


「話はお姉様から伺っております、わたくしでよろしければ協力させていただきたいと思います」


 生徒会の活動に関しては御雷元会長から色々と聞いていたみたいだ、接触した感じ性格も良さそうだし一応仮で少しだけ様子を見る事になったが彼女は本決まりになりそうだ。


 マリナさんの知り合いだというルーナ・ラーナという女の子は見た目フランス人形のような藍色の瞳とふわっふわの金髪を持つ子だった。彼女に関しては生徒会には興味がないようで断られたのだけど、マリナさんが言うには元々はこの学院に入学する予定はなく、色々と緊急的な案件が絡み入学という事になったらしい。


 そんなわけで最後の一人は東雲梓しののめあずささんだ、陰陽師の家系ということで、雪菜さんとは顔見知りという事だ。入学式の時は今年の首席で生徒代表として挨拶をしていた。真面目な性格らしく生徒会入には積極的ではあった。


 5月の連休が終わるまでは様子見もかねて、一年生の行事の方をメインにしてもらうという形で入ってもらうことになった。まあこのまま生徒会入になるだろうとは思っている。


 そんなわけで今年の生徒会はこういう形になる予定だ。


 高等部生徒会長 星宮マリナ《ほしみやまりな》 高3

 副会長 源乃詩織げんのしおり 高2

 書紀 芦田雪菜あしだゆきな 高2

 会計 渡咲夜わたりさくや 高1


 中等部生徒会長 姫神怜ひめがみれい 中3

 副会長 源乃明海げんのあけみ 中3

 会計 真咲桜しんざきさくら 中2 

 書紀 斉穏寺楓さいおんじかえで 中2

 会計 東雲梓しののめあずさ 中1

 書紀 雷門桐華らいもんきりか 中1


 高等部と中等部では人数的にバランスが悪いかもしれないけど、中等部は俺の年から入学する人数が倍になっているので丁度いいのかもしれない。今後大まかな変更がなければ一学年2人は生徒会に入ってもらう形になるんだろうね。



 そんなこんなで気がつけば6月の中間テストも終わり穏やかな日々を過ごしている。朱天はだいたい一月に一回くらいは顔を見せに帰ってくるが元気にしているようだ。話を聞いてみると学院の外では一般の人の中にもアヤカシと遭遇したり被害に合う人がポツポツ出てきているらしい、それに比例して能力者はてんやわんやしているとか。


 突如アヤカシを見るようになったり襲われたりする人の中には、元々才能とか潜在能力とかがあったのか力を手にする人も現れだしているみたいで、特に若い俺たちと同じ世代の人が増えているみたい。


 そして急遽そういう急に力を手に入れて戸惑っている学生をまとめる学校を設立するなんて話が持ち上がっていて、この神樹女学院の学院長である源乃沙織げんのさおりさんが学院を離れる事が増えていて、それの護衛みたいな感じで織ねぇも学院にいないことが多くなっている。


 なんというかここに来ていよいよ大厄災が迫っている気がしてきた。元々神気やら、霊気やら、妖気やらそういう事を知らなかった俺からすると、急に力を手に入れた人の戸惑いとかは何となく分かる。


 そんな感じで学院の外では色々と事態が動いているようだけど、この学院内事態は平和と言っていいだろう。俺が一年の時ほど黒いモヤ的なものもあまり濃くない、理由としてはその時に比べるとここの学院生も長期休暇で家に戻った時に、少なからずアヤカシに関わる機会があったからだと思う。


 織ねぇは帰ってくる度に「外は今色々大変だよ」と笑っているけど、学院内にはあまり情報が出回ってこないので実感は持てなかったし楽観視していたのだけど。夏になり長期休暇が始まる頃には学院全体がそうも言ってられない雰囲気に包まれることになる。


 学院生の半数近く、特に中等部生はそのまま学院待機とそれぞれの家とそして学院から言い渡されると共に、学院の外の情報が知らされた事で世界が今どう変わってきているのか知ることとなった。

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