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第88話 迎え撃つために

読んでくださりありがとうございます。

「相谷陸疾の言う通りだな。…そうか方向性を決めるのでさえ難しいのか技能開花とやらは。ううむ、さてどうやって研究していこうか。」


「まあでも定平の言うように一人一人それぞれで考えるのもまた限界があるのは確かだ。無闇にやっても結果は伴わない。それならいっそ全員で全員分考えたらどうだ?全員技能開花に至るのは難しいかもしれないが誰かは技能開花に到達できるかもしれないぜ?」


やや強引な方法ではあるが今のところ透の提案を超える提案は無かった。そのためこの場所にいる4人でそれぞれの技能開花について仮説を立てて模擬戦を使って実践し続けるという方法で技能開花を目指すことになった。4人は模擬戦会場へと出向き各々が考えた技能解放を極める方法を片っ端から実践していったのである。その研究は休憩を挟みながらほぼ1日に渡って行われたのであった。


定平の持つ端末が鳴った。どうやらメールか何かを受信したようだ。画面を一目見た定平はすぐに他の3人の顔を見たのである。


「どうした?何か分かったのか?」


「どうやらうちのリーダーの技能は相当優秀らしいですね。少々お待ちを、今全員に見れるようにしますので。」


そう言って定平は色々と操作してメールによって送られて来たものと同じ情報に3人ともアクセス出来るようにしたのである。


「こりゃ地図だな。しかも基地の近くだ。ところどころ赤い点があるな。」


「そうっすね、右上の時刻っぽいのは19:14…か、今より8時間後くらいっすか?どうして今の時刻じゃないんだろう。」


「この地図の中心には私たちディメンションズの基地があります。そしてこの情報の発信元はさっきも言った通り私たちのリーダーである藍原英永です。リーダーの技能は『予知』。ここにある赤い点はリーダーによって予知されたパラドクスの侵略地点です。ガーディアンズもディメンションズもいると言うことで人数をバラけさせているのでしょう。」



この言葉に全員が反応を示した。パラドクスが本格的に侵略してくるのは分かっていた事だが侵略場所が分かるとは思ってなかったからである。陸疾は会った事のない英永という人物に感謝を感じていた。


「こりゃありがたい情報だな。もちろんこっちに教えるってことはこの後この情報は好きにして良いってことだな?」


「もちろん、むしろ最大限活用してもらわないと困ります。」


「良し、今カズに送った。ガーディアンズとしてはひとまずカズの指示待ちになるが、これによって侵略開始時間が分かったんだ。各自体を休めるなり技能の研究を進めるなりした方が良いな。これにてこの技能共有の場は解散としよう。」


解散し定平はディメンションズの基地へと帰って行き、残った3人は先程送った資料に対しての景計の指示を待ちながら消耗した体力を回復させていた。程なくして景計から指示が出され指示に従ってガーディアンズの面々はそれぞれの待機場所へ移動しパラドクスの侵略に備えたのである。


こうして侵略を始めようとするパラドクスを迎え撃つために、今生きる世界を守るために出来る限りの準備は果たされたのであった。





時刻はもうすぐ夜の7時になる頃、透はディメンションズ基地から北上したとある場所へと来ていた。もちろん目的はパラドクスを迎え撃つためである。


「おやガーディアンズはここにあなたを配置したんですか。私としては見知った人なのでやりやすいですね。」


「あぁ、あんたか。俺もディメンションズからも当然誰かしらは来るだろうとは思っていたがあんたとはな。」


「あのぉ、透サン。私は全くの初対面なんですけど…。この人は誰ですか?」


つい数時間前まで共に技能の研究をした仲である。透と定平の間には自己紹介は必要無かった。しかしそれに挟まれたケイトは透が自分の知らないディメンションズの人と仲良さげに話している様子を見て困惑していたのだ。


「あぁ、悪い悪い。定平、こいつはケイト・エルドリッジ。ガーディアンズの中では中々射撃に定評があるんだ。きっと足は引っ張らないと思うぜ。」


「ほう、それなら嬉しいですね。私の名前は椎橋定平。ガーディアンズで言うと研悟は知ってるかい?」


「あ、研悟は知ってますよ。?研悟も知り合いなんですか?」


「昔バイトが一緒だったのさ。まああいつは私のことを嫌ってるみたいだけどね。さてパラドクスが来る前に軽く打ち合わせでもしておこうか。」


軽く自己紹介をしつつ3人はパラドクスがやって来るのを待ち構えた。しばらくすると近くの建物の壁にブラックホールのようなものが出来、中から人が現れたのである。最初に報告されたパラドクスの特徴に酷似した出現のため出てきた人は当然パラドクスであろうと思われた。しかし気になることが1つ、出てきた人物は建物の4階辺りと思われる場所に張り付いているのである。



さていよいよパラドクスが本格的に侵略を始めるようです。いつ来るのかというのがかなり大事な問題でしたが英永の技能でまずは不意打ちは防げました。だからと言って勝てるとは限りませんがね。ところでやって来たパラドクスは何やら様子がおかしいようですね。

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