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第87話 研悟の新しい技能解放

読んでくださりありがとうございます。


言い終わるや否や透は地面に手を置いた。《大地緊縛》が発動され、その範囲内では強化された重力によって地面に縛り付けられる格好となった。《大地緊縛》は範囲こそあるものの持続的な効果を発揮する。従って最初の強化された重力を回避したとしても効果時間全て回避し続けない限りは次なる強化された重力を回避することは出来ない。つまり《絶対回避》を発動させた定平もまた《大地緊縛》を食らったのであった。


「おぉ…。これは動けない、厄介ですねぇ。なるほど、《絶対回避》にも回避出来ないものがあったとは。それなら相手の攻撃によって発動するしないを見極めないといけませんねえ。」


「ひょっとしてって思ったがやっぱりな。だが見てる限りだが最初の重力は回避しているように見えた。重力を強化して発動させる《大地緊縛》は回避出来ないが地面をぶっ叩いて発動する《大地震撼》は回避されてしまいそうだな。俺は技能が『剛力』、『重力』、『伝導』で技能解放がそれぞれ《大地震撼》と《大地緊縛》だ。『伝導』の技能解放はまだ出来てねぇ。技能解放の効果はほぼ同じ、相手の動きを一定時間制限させられる。自分は自由に動けるからその間に攻撃を仕掛けるって訳だ。」


「それじゃあ次俺が言いますね。技能が『跳躍』、『変則』、『蓄積』で技能解放はそれぞれ《空歩ノ理》と《逆襲ノ舞》で『蓄積』の技能解放はまだです。効果は《空歩ノ理》が空中で3回まで足場を作れること、《逆襲ノ舞》が空中に回避を成功させた場合相手の攻撃のダメージを上乗せしたカウンターが放てることです。」


「最後は俺か。技能が『集中』、『乱撃』、『切断』で技能解放がそれぞれ《居合ノ匠》、《納刀術・乱撃》、そして《次元切断》だ。」


陸疾に続いて研悟が自分の技能解放について開示した。ケイトからの伝言から予想はしていたがやはり3つ目の技能解放に到達していたようである。


「やっぱり技能解放出来てたんすね。伝言を聞いた時やられたって思ってましたよ。」


「あぁ、本当なら模擬戦かなんかで披露してやろうかと思ったがな。《次元切断》は相手に一定以上のダメージを負わせた時に発動が可能で回避不可能の斬撃が放てるようになる。」


「へぇ⁈回避不可能の斬撃だって?それじゃあ私が《絶対回避》でそれを回避しようとしたらどうなるんだい?」


割と真面目なトーンで定平は研悟にそう問いかけた。しかしそれは必要性が低い問いかけであり真面目なトーンで言ってはいるが定平自身はまったく真剣に聞いていないことは研悟には分かっていた。


「…それ知ってどうなるんだ?合併が本当だとして俺とあんたが戦闘した時のことを今考える必要はないだろう?」


「…君は私にかなり厳しいね。ちょっと気になっただけじゃないか。」


「しっかし研悟に先を越されるとはなぁ?これじゃあ技能解放に関しちゃ今なら俺じゃなくて研悟が1番詳しいことになるな。」


「たまたまですよ、透さん。散々模擬戦で検証してやけになったからこそ出来たようなものですからね。」


「まあたまたまであろうがパラドクス側でない人間で3つ技能解放に到達しているのは知る限りでは研悟だけになりますね。ディメンションズで私より技能に詳しい人間はいませんから。何もわからないのでなんとも言えませんが技能開花へ到達しうる可能性が1番高いのも恐らく研悟でしょう。少なくともスタート地点の数が多いんですからね。」


感心したように定平は呟いた。定平の言うように技能開花が技能解放を磨き上げた先にあるのであれば人より試せる技能解放の数が多いのだから確かに可能性は1番高くはなるだろう。


「…よし、これでひとまず定平の言うように技能解放に関しては全て情報が開示された事になるな。そんで?その後はどうするんだ?」


「決まっていますよ。全員でどう極めるかを決めるんです。極めると一口にいっても色々なものがあります。単純なところから言えば技能解放自体の威力や効果の向上ですし、効果時間の長さであったり範囲もそうでしょう。私の《絶対回避》で考えるなら次の発動までのインターバルを短くすることもまた極める方向の1つと言えるでしょう。」


「なるほどな。だがインターバルを短くするのは恐らく不可能だ。今までの傾向からしてインターバルが短い時は威力が低くなったり、不発になったりする。それをしたければ勝手にやれば良いが少なくとも俺は方向としては間違ってると思うぜ。」


「まあ威力の向上を目指すのは方向性としては分かりやすくて良いっすけど、肝心の方法がまったく浮かばないっすね。」


陸疾のその一言に他全員が顔を曇らせた。定平の言うように極める方向性を決めるのは恐らくは良い考えではあるのだろうがそこには常にどうやってという疑問が付きまとう。そして技能解放に至るまでに結構な検証を経てきているのだ、粗方試した上で更なるアイデアが求められる。必殺技と呼べる程の威力を持つにふさわしくその習得はそこへの方向性を決めるだけでも至難の業という訳だ。


研悟の新しい技能解放は中々強そうですね。まあパラドクス相手に何発もダメージを浴びせられる余裕があるのかと言うとかなり疑問ですが。

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