表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/106

第83話 到達すべき目標は?

読んでくださりありがとうございます。

「そうだね、パラドクスが侵略してくる今ガーディアンズもディメンションズも関係無い。侵略されれば全てが終わるのだからね。技能についての研究成果の共有に賛同しよう。せっかくだから相谷くんもそれに同行すると良い。ガーディアンズで今一番技能に関して成果を上げているのは片山透と言う男だ。…ただ今日はもう帰っているはずだ。端末で呼び戻しても良いんだが、かなり遅い時間だしな。すぐにパラドクスが来ると言ってもまだ日は残されている。ひとまず今日はゆっくり休むと良い。仮眠室のような場所はあいにく無いんだが医務室なら基地の中にある。医務室で良いなら案内しよう。相谷くん、場所分かるよね?」


「医務室っすね。分かりますよ。」


「それじゃあ案内を頼まれてくれ。」


景計の言う通りあまり残されていないとは言えパラドクスが本格的に侵略を始めるのにはまだ日は残されている。それまでずっと技能の研究をしていても良いのだが時には休むことも必要だろう。景計のその申し出に少し不服そうではあったが定平も了承したのである。


「私は今日はずっと基地にいる予定だから何かあったらこの部屋まで来てくれれば対応出来るはずだ。特に何も無ければ明日の朝9時頃には透が基地に来ているはずだからそれまでに一度この部屋に寄ってくれたまえ。」


陸疾と定平は景計の部屋を出た。定平はこれからやらなければならないことが山積みではあるものの当面の目的は果たせたがために笑みを浮かべていた。陸疾からすればやや不自然な笑みであった。


「…案内して良いんです?笑ってて不気味なんすけど。」


「ん?ああ、済まない。以前から私はディメンションズとガーディアンズが分かれているのが不思議でね。最終の目的もパラドクスに対抗するためのものなのだから同じ目的を持つものとして仲良くなれるだろうし、それが最善の手だと思っていたんだよ。」


「はぁ…。でも俺はディメンションズと仲良く出来るとは思ってなかったっすけどね。だからこんな風になって正直びっくりしてます。」


「そうか、君はそうなのか。私はパラドクスが来ることで何故か長年敵対していた組織がすんなり提携した様を見てびっくりしているよ。そんな簡単に上手くいくのに何故長年いがみあっていたのか一層分からなくなったね。…そうだ医務室とやらに行く前に君に聞いておきたいことがある。技能開花という概念についてだ。私は少し離れていたからよく分からなかったが確かにあの時マイケルとか言う奴は技能開花と言っていたはずだ。それに間違いは無いか?」


定平にそう聞かれ陸疾はマイケルとのやり取りを思い出していた。《逆襲ノ舞》で吹き飛ばしたものの平然と立ち上がったマイケルはその後確かに技能開花と言っていた。そしてその技能開花とは技能解放を磨き上げその威力を極限まで高めたものと言っていたのである。


「…間違いないと思う。確かにあいつは技能開花って言っていた。」


「なるほど、そしてそれを食らってかなり消耗していたな。他に何か言ってなかったか?」


「技能解放ではパラドクスには勝てないと。どんなに強力だろうと技能解放では相手にならないって言ってたはずです。」


「…ふむ、まあ一部誇張はされてるだろうが概ね正しいんだろう。つまり技能解放のその奥にある技能開花を習得するか技能解放を使って上手く相手を出し抜くかしない限りはパラドクスには勝てないと言う訳だ。ありがとう、これで到達すべき目標が明確になった。それじゃあ医務室へ行こうか。」


満足そうな笑みを浮かべ定平は陸疾に医務室の案内をするよう促した。景計に言われたことなので別に定平にそう言われずとも案内はするのだがと少し首を傾げた陸疾であったが構わずに定平を案内することにしたのである。


「へぇ、医務室って言っていたが中々良い場所じゃあ無いか。ディメンションズにも医務室はあるにはあるがこんな立派な場所ではないよ。」


医務室に着くなり定平は目を見開いた。想像している医務室とは違ったようだ。備え付けられているベッドを確かめるように触りながら今日寝るためのベッドを決めたようだ。その感触を確かめるようにやや大袈裟に座り込んだ後で寝転んだのである。


定平が言うように技能開花の習得を目標にした方が良さそうですね。もちろん定平は技能解放だけでマイケルを破りましたし、技能解放でパラドクスに対抗できる人はいるとは思います。だとしても技能開花まで出来た方が良いのは確かです。…まあ簡単に習得できるものでは無いですが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ