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第7話 槍を掲げて

読んでくださりありがとうございます。

「ただ残念…、私守ってくる人に負けたことは一度も無いのよ。…君はどうかしら?」


ダン!ダン!ダン!


言い終わるや否やケイトは陸疾めがけて弾丸を撃ち込んで来た。聞こえた銃声の方へ差し出された大きな盾は十分陸疾をその弾丸から守っていた。


「良い固め方をしてるネ。これはやりがいがありそうだわ。」


…良し!この大きな盾なら銃弾を防げるみたいだな。貫通したら一貫の終わりだと思ったけどさすがは盾。防げるとわかったら前に進める!


陸疾は大きな盾を構えながら前進しケイトとの距離をつめた。しかしケイトの方が身軽であるがために槍で突き刺せるほど距離は詰められなかった。ケイトは槍が届くリーチを気にしつつ陸疾に弾丸を浴びせかけた。いくら守りを固めたとは言えジリ貧なのは否めなかった。


陸疾は盾を構えると先程より大きく前進した。大きく距離を詰められるとは言え盾が上手く構えられなくなる故にケイトにはやけになって距離を詰めてきたように思われた。冷静に距離を取って銃を撃ち込めば今回も勝つ。そうケイトは考えていた。しかしここでケイトに誤算があった。ケイトは通常の槍使いでの距離しか取らなかったのである。


陸疾は大きく踏み込み、斜め前目掛けて跳んだ。解放された技能による跳躍は装備の重さからそれほど効果は生まなかったが、ケイトに槍を届かせるには十分であった。


グサッ!


狙い澄ました陸疾の槍が迷彩服以外の防具を着けていないケイトの肩口に深く突き刺さった。このままならば陸疾は模擬戦でケイトから勝利をもぎ取るのに十分な攻撃が入ったのである。


「…ふふ、まさかやられるとは思わなかったネ。…でもね、簡単に私から勝ちはあげられないかな。」


ダン!


槍に突き刺されながらケイトは目の前の陸疾に弾丸を放った。至近距離での銃撃に陸疾になす術は無かった。


『―、戦闘終了。両者同時戦闘不能により、両名に引き分けが追加されました。』


『規定戦闘数に達しましたのでこれにて模擬戦を終了します。ご利用ありがとうございした。』


かぁっ!くそ、…引き分けか!跳躍を使ってケイトさんに大ダメージを負わせた…まではよかったんだけどな。でも日本刀を使っていた時より戦闘がしっくりきたな。武器適性?って奴なのかな?


やや悔しそうな表情で第8ブースを出た陸疾を拍手で出迎える人がいた。研悟である。


「なんで拍手してんの。…こっちは大負けして悔しいってのにさ。」


「ほう…、悔しいとは見上げたもんだな。ケイトはガーディアンズ初期メンバーの1人だから俺より戦闘経験値が高い。だからもっぱら最近では模擬戦で負けることの方が少ないのよ。経験ゼロのお前が善戦したことの方が奇跡だ。」


「そうなの?」


「その証拠にケイトはまだ出てきてない。…ログでも見てんじゃねぇのかな。模擬戦のルールではギリギリ引き分けだけど実際なら負けだし、油断して撃破されたのは本人許せないんじゃねぇの?…あ、出てきた。」


そんな話をしていると第8ブースからケイトが出てきた。なるほど、顔こそ平静を保っているが模擬戦が始まる前と比べると髪型が崩れているようだ。ヘッドギアでついたものというよりは乱雑に掻きむしったように見える。


「はぁ、…何度見てもダメ。武器の射程判断が甘すぎる。射撃武器で距離を詰められるなんて私もまだまだネ。」


「まあ、おかげで陸疾の戦闘スタイルがちょっと固まったからやっぱり模擬戦してもらって良かったよ。…しかし槍とは考えたね。」


「あぁ、それは日本刀を使おうとしたんですけど振り回すにはちょっと重くって。ケイトさん早いんで当てられる気がしなかったんですよ。その点槍なら振り回す必要がないのでイケるかなって。」


「なるほどな、まあお前には日本刀の魅力が分かるのはまだ早いさ。あれは使い続ければ使い続ける程手に馴染むからな。…さて、それじゃあこれを渡そうか。」


相谷陸疾(さがやりくと)

技能:跳躍 武器:槍

ようやく?主人公の戦闘スタイルが決まったようです。そんな陸疾に研悟は何かをくれたようですが何をくれたんですかね。

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