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第76話 そして世界は回りだす

読んでくださりありがとうございます。


「…?ストレス発散してたんじゃないの?何その顔。」


「なぁ、変なこと聞いても良いか?」


「変なこと?さっきのあんたの行動は充分変だと思うけど?」


「『跳躍』の飛距離が変わった気がするんだよ。さっき思いっきり跳んでたんだけど跳び始めた頃と今だと飛距離が違う気がするんだ。」


「…?気のせいじゃない?」


「いや気のせいじゃない。明らかに違う気がするんだよ。…思いっきり跳んだ事なんてあんまり無かったから疲れたのかなぁ。」


実は陸疾が感じているのは気のせいではない。ここに来て偶然ではあるが『蓄積』の効果の一端を感じているのである。陸疾はまだ完全に気付いていないが『蓄積』によって相手からの全てのダメージは蓄積されそれは陸疾の身体能力に還元される。つまり陸疾は『蓄積』によって相手からのダメージを受ければ受けるほど身体能力が上がるようになったのである。


「そんなにすぐ疲れる訳無いでしょ。あるとしたら『蓄積』の効果でも出たんじゃない?だとしても飛距離が違うって言う微妙な効果だけどね。」


「もし飛距離が変わったのが『蓄積』の効果だとして、多分その効果じゃ無い気がする。」


「…?何を言ってるの?」


「あ、あぁ…分かりにくかったな。『蓄積』の効果で飛距離が伸びたとして、『蓄積』の効果は『跳躍』の飛距離を伸ばすことじゃ無いだろうって事だよ。もしそうだとしたらあまりにも『跳躍』と関係度が高過ぎる。」


「なるほどね、そりゃ確かにそうだわ。」


「大方『蓄積』の効果は筋力とかその辺が向上する効果だ。そしてそれはかなり即効性を持つ。…ま、それは俺が感じた違和感が『蓄積』の効果と関係しているのが前提になるけどな。この方向性で一つ検証を進めてみますかね。」


陸疾の読みは正しいことは先述の通りである。こうして単なる偶然から『蓄積』の効果への手がかりを掴んだ陸疾はその後の検証で蓄積されるのは相手からの攻撃によるダメージである事を割り出したのである。…しかしそこまで検証が行き着いた陸疾であったが『蓄積』の技能解放にまでは至らなかったのである。


「うーん、技能解放ってのはやっぱり難しいもんなんだね。まあ技能についての検証が結構進んだんだから良しと…はしないよね。」


「当たり前だ。技能解放出来ないはずは無いんだ。…だがそれらしき気配も何も感じられん。」


「…とりあえず模擬戦終わっとく?かれこれ2時間は模擬戦してるわよ?」


「お?もうそんなに時間が経ってるのか。これ以上長居は出来ない…か。オッケーそろそろ模擬戦を終了させて休憩するか。」


凛夏の提案から2人は第4ブースを後にした。長い模擬戦を終えて第4ブースから出てきた2人を出迎えた人物がいた。ケイトである。


「やぁ!2人とも模擬戦かい?…なんだか疲れ切ってる感じネ。」


「そうなんすよ。さっきまでええと、…2時間だっけ?」


「うん、そのぐらい。」


「2時間⁉︎私なら休憩しないととても保たないわ。10代ってパワフルね。あ、そうそう研悟から陸疾に伝言があるのよ。」


「伝言…、ですか?」


「陸疾、明日お前に面白いものを見せてやろう。楽しみにしておけ。俺は疲れたからさっさと寮に帰って寝る事にする。…だってさ。」


「…つまり研悟さんは技能解放に行き着いたってことか⁈」


「さあね。私はそれだけ伝えるように言われただけだから詳しくは知らないネ。」


そう言うとケイトはどこかへ去っていった。どうやらそれだけの伝言を伝えるために陸疾たちが模擬戦から出てくることを待っていたようだ。一体どれくらいの時間ケイトさんは待っていたのだろうと凛夏は考えていたが陸疾はそのことに全く気付かず研悟に先を越されたことに悔しさを滲ませていた。


『蓄積』の効果が分かってきた陸疾でしたが技能解放には至れませんでした。まあそんなに簡単にはいかないでしょうと思っていたらどうも研悟は技能解放出来たようですね。どんなものなのか気になるところです。

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