第5話 模擬戦とは
読んでくださりありがとうございます。
「あら?研悟、…ええと、この子は誰?…最近入った子か?」
「そうだよ、ケイト。…お前端末見てねぇのか?ついさっき俺らの仲間になった相谷陸疾だよ。」
「おぉ、陸疾ですか。よろしくよろしく。模擬戦をしてる時は端末を気にしないようにしてるからね。終わって出てきたところだからまだ何も確認してないのよ。」
「…どうせそんなところだろうと思ったよ。」
研悟は呆れ顔である。そんな研悟をよそにケイトは陸疾をじっくり観察し始めた。何を見ているのかすら分からない陸疾はただただむず痒い思いをしていた。
「…ところでここに来たってことは模擬戦でしょう?この子は一体何の武器を使うの?」
「そう、模擬戦。まだ入ったばかりだから武器の適性も分からんから適当に相手してやってよ。」
「OK!それじゃあ5本勝負で良いかな。陸疾!この模擬戦会場は素晴らしいのだよ!なんて言ったって色んな武器が試せるからネ。」
そう言うとケイトはどこかへ行ったかと思うと近くの人に声をかけていた。どうやら模擬戦の会場の予約をしているようだ。数分してケイトは陸疾のところへ帰って来た。
「予約完了、第8ブースで5本勝負を取り付けたよ。さて、模擬戦とは言え勝負だからね!陸疾は私を滅多撃ちにするくらいの気持ちで挑んで来な!」
そう言うとケイトは第8ブースと書かれたところの左側の入り口に入って行った。多分ここに入れば良いんだなと思いながら陸疾は第8ブースの右側の入り口に入って行った。
…へぇ、色んな武器があるって言うけどこれは確かに色んな武器があるな。
陸疾が入ったそこには日本刀や長弓、槍など様々な武器や体がすっぽり収まるくらい大きな盾や小さな盾、甲冑や鎧などがケースに入れられて展示されていた。陸疾がそれを魅入っていると先程ケイトが声をかけていた人物と同じ服装をした人物が声をかけてきた。
「相谷陸疾さんですね。私たちはここバトルホールの模擬戦の職員をしています。ご用の際は私どもと同じ服装の方に声をかけてくださいませ。相谷さんは模擬戦をされるのは初めてかと思われますので軽く説明をいたします。」
「展示されている装備品を自由にカスタマイズして模擬戦に挑むことが可能です。本来の戦闘では装備品が傷ついてしまう他怪我の事もありますので模擬戦は全てVR技術に基づいて行われます。従ってこの模擬戦では精神が保つ限り繰り返して戦闘を試すことが可能であります。」
なるほど、それじゃあこのケースに入れられている装備品を自由に使って良いってことね。それにVR技術で行われるってことはコンティニューが可能ってことだ。まあ、言ってしまえば高純度の戦闘シュミレーションゲームって感じだな。
「ええと、装備ってのは言えば装備されるってことですか?」
「はい、もちろんです。こちらの専用の機械で設定した装備で戦うことが出来ます。…ケイトさんは銃による攻撃が得意でいらっしゃるので守りをどう固めるかよく考えられれば良いかと思われます。」
やっぱりあの人は銃で戦うんだな。流石に防具無しは無理ゲーだから装備するとして、こっちの武器をどうするかだよね…。とりあえずこれで行くか。
「装備設定が完了しましたらこちらのヘッドギアをお着けください。両方の装着が確認され次第模擬戦が始まります。」
そう言われた陸疾は職員からVRヘッドギアを受け取ると近くにあったベッドに横になった。
『―、両者の装着が確認されました。これより模擬戦1戦目を行います。』
そんな声が聞こえたかと思うと模擬戦のフィールドへ転送された。フィールドはあらかじめ設定されたマップが適用される。今回は密林地帯Aが設定されていた。
さて、次回は模擬戦となります。…ちなみに陸疾のメイン武器がまだ明言されてないのは陸疾がまだ決めていないからです。そんな状況なので勝敗はもう決まっているに近いです。一回くらいは勝てると良いですね。